「戦場のメリークリスマス」

 「戦勝のメリークリスマス」をリバイバル上映で見ました。

 監督も曲も超有名で概要は知ってるんだけど、実際に見たことはなかったの。

 

 デヴィッド・ボウイめちゃ美しか!

坂本龍一(ヨノイ)の秘めた愛、欲望」と思ってたけど…隠してると思ってるのは坂本龍一だけで、たけしはじめ周りの人間みんなそれ知ってるな………ヨノイ( ;∀;)

 超名作をあとから見るのもいいものですね。

 ヨノイの矛盾した言動が、「バグってる」の一言で理解できて、亀の甲より年の劫かなって…

 ヨノイはホモセクシュアルなキャラクターです。

 ホモセクシュアルな部分を隠して模範的な軍人(陸軍)の仮面をかぶって生きてきた人なのでしょう。だから好きな男性に出会った時にどう振舞っていいかわからないんでしょうね。模範的軍人の行動パターンで「好き」を発散しようとして、変ちくりんなキモい行動になっちゃったみたいに思えます。

 自分の推しの形見を神棚に祀りたい気持ちは超わかる。わかります。

 でもそれを産土神社に奉納するのってどうよ…神さまも苦笑いしたろう…

 ヨノイよ、デビッド・ボウイの遺髪は神社に納めるんじゃなくて…後悔や鎮魂の気持ちが強いなら寺ですよ?(そこか)

 ベストは弟さんに渡すことかなーと思うのですが、ずっと持っていたい(一緒にいたい)という気持ちが「産土神社に奉納」という斜め上の発想になったのでしょうか。

 

 次点は、たけしが田中啓文みたいなダジャレを言うところかな。

 さらにラストで回収してきたところ。

 てゆうかたけしも若くて美しくてびっくりだな。嫌なおっさん軍曹ムーブと、その仮面を外した時の落差がいい。笑顔がいい。戦メリのたけしは演技下手って評価でしたよね?うそやん。

 

萩尾望都「一度きりの大泉の話」竹宮惠子「少年の名はジルベール」

一度きりの大泉の話

一度きりの大泉の話

 

 竹宮惠子「少年の名はジルベール」を読んでいます。少女マンガ界の神代の青春の眩い光に満ちていて、わたしの穢れた魂が滅しそうです。マンガ家になるために単身上京すること、友の胸にためらいなく飛び込むこと。尊敬する友に「好かれたい」と裏表なく思い、行動すること。あまりにも眩い。

 萩尾望都「一度きりの大泉の話」といっしょに読むべき、むしろ竹宮惠子から読むべき、とリコメンドされました。いやほんとに眩い。少女マンガの王国の領土はまだ定まっていなくて、力しだいでどこまででも広げられる時代。3人は、どこまでも歩いていけると思っていたんだろうな。眩い。

 

 編集者Y氏の言う通りですよね( ;∀;)

 萩尾望都がコタツの向かいでマンガ描いてるなんて。しかも「ポーの一族」を発表し旭日昇天の勢いの萩尾望都が。そんなのが目の前にいたらどんな天才でも病んじゃうよ( ;∀;)

 最初からスープの冷めない距離にしておいたなら( ;∀;)

「少年の名はジルベール」を読んでると竹宮先生かわいそう( ;∀;)となるけど、萩尾望都先生にもつらい体験だったのかな…萩尾サイドの「一度きりの大泉の話」を読むのが怖くなってきた( ;∀;)

 

 サイド萩尾望都、一気に読んじゃった。あちらには出てこない決定的なエピソードがこちらには載っていて、涙しか出ません…

 両方読んで、朝ドラで観たいと思う人の気持ちがわかりました。でもダメですね…萩尾先生ぜんぜん癒えてませんやん( ;∀;)傷痕なまなましくて読み物として昇華しきれてない…これ書くのも辛かったろうに( ;∀;)

 

 

 

 

 

「ファースト・マン」をネトフリで見た

 ごぶさたしてます!
 ネトフリで「ファースト・マン」(2019)を見たら、良すぎて滾ってしまいました…

 

 いいですよね。
 21世紀にいまさらアポロ計画の映画?いまさら??と思わせておいて、そっか、こういう切り口で来たかあ……宇宙開発の嫌なところ、恐怖に全振りかあ…(チビリ)となりました。


 いいですよね、まっっったく高揚しない打ち上げシーン…
 死刑台に上がる雰囲気のが近いんじゃない?
 コクピットに入れてもらっていろいろ接続して扉閉められるのとか、火葬場で生きたまま炉に入れられちゃうのは、こういう気分なんだろうなって感じ( ;∀;)

 中盤のヤマ、ジェミニ8号の打ち上げのシーンはすごいですよー。
 勇壮な音楽ナシ、盛大な噴射の煙もナシ、赫々たるロケットの炎もなし。
 ロケットの打ち上げが、ひたすら狭くて暗くてガタガタする司室内だけの映像で描かれてます。
 なんじゃこりゃー!
 BGM がなくて機械音だけがして、司令船の小さい窓の外をサッと横切る鳥の影、計基盤の上のハエ、死のイメージてんこ盛りでゾワゾワする。
 こ、これは娯楽なのか?
 映画の基準点のひとつが「アルマゲドン」なので、この盛り上がらなさは衝撃を受けました。

 ニール・アームストロングの映画ですから、クライマックスはもちろん月面着陸!
 ですがアポロ11号打ち上げの前、失敗して殉職した時のプレス発表の手順や原稿を確認するシーンが挿入されてて、完全にお葬式の雰囲気です。
 これ、大成功した人類の偉業の映画なんですよ?
 ここまでネガティブに全振りなんて、いっそ清々しい。


 いろいろ突っ込みを入れてきましたが、嫌いになれない。
 佳い映画だと思います。
 つまり。
 「ファースト・マン」は宇宙映画の皮を被ったメタファー映画で、修験道の奥義といっしょです。生きたまま自分の葬式を上げて、あの世に行ってそこを通り抜けて現世に生まれ直して、今度は真っ当に生きます、という。
 主人公アームストロング(ライアン・ゴズリング)は、感情の起伏に乏しい人間として描かれています。なぜなら小さい娘を亡くしていて、それが原因で心の一部が死んでるから。妻とも、一人息子ともきちんと向き合っていません。
(これはわたしの想像なんですけど、アームストロングにとって月は「死後の世界」で。そこに行けば死んだ娘に会える。ちゃんとさよならが言える…とそこまでは明確には思ってないかな…?
 日本人なら竹取物語を連想するところですが、アメリカの映画なのでそこは分かんない。)
 死んでるみたいに生きてた男が、生きながらあの世に行って死んだ娘ときちんとさよならした後、現世で生きてる妻と向き合うことができるようになりましたって「死と再生」の映画で、サービスシーンが「NASAのロケット」って作りだと思えば腹も立ちますまい。
 …それなら先にそう言ってほしかった。

 たまにありますよね…ガチ宇宙映画・SF映画を期待して見に行って、こういうのを掴んじゃうことって。
 「ゼロ・グラビティ」が割とそうだったし、「パッセンジャー」もそう、「アド・アストラ」もモロにそうでしたね。
 人はガチ宇宙映画を期待して、メタファー映画を見せられてしまった時、「クソ映画!」「超がっかりだ!」と叫んでしまうのだ…

 わたしはこの失敗パターンはさんざん踏んできて十分に学習したから、もう引っかからないよ。
 たぶんね。

 

映画「ノマドランド」

最初にネタバレなんですが、暴力要素はなかったです!ないです!安心して!!!
おばあちゃんの一人旅ですから、強盗やホームレス狩りとか、そういう危機一髪!の怖いシーンがあるんじゃないかとドキドキして見に行きました。大丈夫でしたよ🙆‍♀️よかった。

 

 不況で石膏工場が廃業になって、企業城下町が丸ごとなくなって、62歳寡婦の主人公が車中泊暮らしを余儀なくされるお話。「家を持たない」選択で、生活のコストをカットできるのでしょうか。家賃とか税金とかかな?
 路上で生活するにはコツやマナーがあって…

 

 主演女優はスリービルボードの戦闘的クソババアを演った人です。今度はとても可愛かった。表情とかしぐさとか。ノマドランドを見ていると、ひどく人間が愛おしく思えてくる。アメリカの国土も、ひとが住む家も、ひとがすまなくなった家も愛おしく見えてくる。

 後から知ってびっくりしたのは、脇役にシロウト(俳優ではない人)をキャスティングしてたって事です。見てる間は素人が混じってるなんてまったく気がつきませんでした。こういうのって監督の腕なんじゃろか。

 

 というハイレベルステキ映画のノマドランドですが、文脈に正しく反応できませんでした( ;∀;)
 貧困テーマでは高頻度で「Amazon倉庫で働く」が出てくるそうなのですが、わたしたちド田舎人にはAmazonは文明の光を届けてくれる神なので、リアクションは本場アメリカのAmazon配送倉庫!ここが神殿か!となりがち。ごめんなさい。

 Amazonで働くのは、学歴不要そこそこ賃金短期間の職で食いつなぐってことで。住所なしの車上生活者も受け入れていて、Amazonさんはそういう層の労働者の足元をちょっと見てる感じなのでしょうか。けっこう重労働と聞きますが…?

 彼らの涙でわたしは田舎でも快適なオタクライフを送れている…い、いつもお世話になっております…

 

 ちょっとイラっとしたのは、主人公の人付き合いの上手さ(如才のなさ?)

 コーヒーをポットいっぱいに作って、挨拶がわりに注いで回ったり。孤独な放浪者だけど、決してコミュ障ではない。どこに行ってもちゃんとやってゆけそう。孤独以外の選択肢のない人ではなさそうだ…違う…おまえは俺ではない…

 

 

ゴースト・オブ・ツシマ

ゲームが終わりません。
発売日に「アサシンクリード・ヴァルハラ」を買った仲間たちはとっくにクリアして、新作「サイバーパンク2077」に夢中みたい。
ここから推理するに、みんなまじめにステイホームしてるって感じがするのですが…

流行に置いていかれて悔しいので、最近は「ゴースト・オブ・ツシマ」ばかり遊んでいます。
最先端のゲーム機を所有するのが15年ぶりぐらいですと、ゲームの進化にびっくりしてしまいます。
ゲームキャラが表情の演技をするんですよ…映画か…
でもよく見るとしゃべるときの顔面の動きは日本語じゃないなあと。
なんか日本語にない顔の動きがあって、頬の肉を前上方に動かして犬歯をむき出しにする感じの…日本語では、少なくとも東北ではあんまり見ない感じの動き…
なんの発音だろうと検索したら、「英語を習って小顔になろう!」みたいなサービスがいっぱい出てきて驚いた。未知の世界を見た。


ゴーストオブツシマの主人公のサムライ・境井仁は、実在の俳優ダイスケ・ツジ氏をデジタルで採寸して作り上げられています。
しゃべる時の顔面の動き、表情の動きもカタドリしたらしいです。なるほどねえ。

ゲーム内ミニゲーム、稽古台はちょっとイラッとしたかな…苦手で…
指示されたボタンを素早く間違いなく押すと、仁さんが竹を斬ります。
これ、暗譜を求められます。
スタートするとボタンの表示が消えるんですよ。
(ボタン表示があれば難易度は数段下がるはず)
脳が真っ白になって指が覚えてる通りに動く感覚が、未知の気持ちよさで面白いですよ。
まあわたしは不器用なので、何回も練習しないと7本は斬れないのですが…ワーキングメモリを問われてる感じがしてちょっとムッとしたりとか。

週5でイングランド行ってます

 

週5日イングランドに行ってます。
アサシンクリード・ヴァルハラ)

面白いんですよ。ストーリーが。
時は西暦873年、ノルウェーにはじめての統一王国ができる時代。
主人公たちは、王の下で貴族として小さくまとまって生きるのを嫌い、新天地イングランドに夢をかけます。

イングランドに渡ってがんばってる知り合いがいるんだ」
「その人を頼ろうと思う」
兄上がそう言うので。

行ってみたら、イングランドは陽光あふれる緑が美しい豊かな土地でした。
きっとその知り合いはログハウスとか建てて、自然に抱かれて素敵な暮らしをしてるのかなーと思ってうきうきと会いに行ったら!

王位簒奪下克上にいっちょ噛み☆してる凶暴なヴァイキングでした。
イングランドアングロサクソン七王国の時代(なにそれ?)、ヴァイキングの襲撃に揺れる戦国時代だったのです…
もう陰謀ありの裏切りありの、だいだい戦国もの大河ドラマみたいな感じですね。
面白いです。

よく見たら、頼りの参考文献「ヴィンランド・サガ」よりも100年以上前の時代でした。
(ヴィンサガは1002年スタートで、主人公のトルフィンはクヌート1世(995-1035)と同じ年)
オカルト的には大昔のイングランドといったらケルトなんですけど…その時代はとっくに過ぎたらしいですね…しょんぼりー
なんか「去っていった巨人たちの遺構」って人が言うのでなにかと思ったらローマ遺跡なんですよ…
ローマ軍が撤退して300年以上経ってるらしい。まじか。

それにしても。
わたしはイギリスのことを何も知らなかった…
あわててウィキペディア見たり、歴史の本を見たりしてたのですが。
初心に帰って「ヴィンランド・サガ」を読み返したら、基本的なことはぜんぶ書いてありました。

必要なことはみんなマンガから教わった。

アシェラッドって、平和な世の中なら教師が合っていたかも知れませんね。
一般的な人気はないけれど、はみ出し者の生徒に生涯の恩師と慕われるタイプの。

発売元UBIソフト炎上の件はまた今度。

アサシンクリード・ヴァルハラ

 アサシンクリード・ヴァルハラの思い出のシーンをいくつか。

 好きなビュースポットはダルビーの森とストーンヘンジ、思い出深いシナリオはスノッティンガムシャー編かな?

 メインシナリオが最後の方「突然のSF!」て感じでめちゃくちゃ興奮した。