映画「憂鬱之島」

 

 香港と言えば…リチャード・ウォンの出身地ですよね。あとはパッと浮かぶのはGガンダムとかパトレイバーとか3x3アイズとかの舞台。ゴチャゴチャしてて冒険がはじまる気配が濃厚にしてて、そこに住む人々はしたたかで明るく…これって香港変換前のイメージなのでしょうか。今はぜんぜん違うんだな…

 返還前じゃなくてアニメとマンガのイメージだろって直球はやめろ( ;∀;)

 

 「憂鬱之島」は複雑な構成の、パズル的とすら思える複雑な構成で現実感を揺さぶってくる作品かと思って…例えばノーラン映画みたいな?

 ところが後ろの方で「香港では完成させられないと思ったので香港外でクラファンして香港外で上映に漕ぎつけた」と監督が言ってて。もしかして未完成なだけなのかな…

 複雑な構成で構成から仕掛けてくるやつが好きなので(*´ч`*)

 文革から逃げてきたおじいちゃんの語り、若き日のおじいちゃん役の若い俳優の語り(ヘアメイク中)があって。

 それから映画のシーンとして(俳優とセットとCGとで)再現された文革の頃の農村の風景……その中で膝を抱えて座っている主人公(俳優)が、となりの人にソッと話しかける「当時はこんな感じ?」

 見れば隣で膝を抱えているおじいちゃんはさっき実体験を語ってたおじいちゃんで。おじいちゃんが「うーん、ちょっと違うところもあるかな?」と答えるの、面白かった…現実をどのレベルに置いたらいいか混乱してめまいを感じた。くせになりそう。

 ところが後半はインタビューが中心になってしまいます。

 天安門サバイバーのおじさんのインタビューも長くて。

 映画を見てわたくしが把握したところでは、おじいちゃん世代は文革、おじさん世代は天安門。彼らに「逃げないで戦うって選択肢はなかったんですか?」と質問する若者たちは…香港から逃げ出すか、残って戦うかの2択を迫られている。ようだ。

 

 もしかしたらトリッキーな表現は本意ではなくて。

 もしかしたら当初のプランは「文革の頃に本土から香港に逃げてきた男女のストーリー」で。それが完成させられないから、俳優とモデルにインタビューしてメイキング的な要素も入れて再編集したとか???

 スタッフロールで、何人ものスタッフに「逮捕・拘留中」のマークがついてて…かつての映画王国が……

 え、映画王国…( ;∀;) キョンシー映画に夢中になって、チョウ・ユンファジャッキー・チェンに胸をときめかせた。流行ると見れば類似作品をバンバン作って、シレッと「双子の弟」を出してくるむちゃくちゃさ、いい加減にしろよ〜とつっこみながらそのパワーを眩しく思っていた。

 憧れの映画王国・香港で いま 作れない映画があるなんてショックだ。

 

 おお、ひととおり感想めいたものを書けた?

 最初ね、夢の中で夢と気がつくような、映画の中で「俳優とセットですよ」と言い出して現実感を揺さぶってくる路線(好き)かと思って見てたので、後半がインタビューばかりで混乱しちゃって。未完成なのでは?とひらめいてから少しまとまりました。