ジョージ・A・ロメロ「ゾンビ 日本初公開復元版」
恥ずかしながらオリジナルのこれは初見で。
ほんのりと文明批判を感じて驚きました。
「ショッピングモールに集まるゾンビ」って、もしかして「アタマ空っぽの消費者」ってメタファーなのでしょうか…
ええ…
2004年のザック・スナイダーとジェームズ・ガンのリメイク版(走るゾンビで世界に衝撃を与えた)が、ショッピングモールに立てこもってゾンビと戦うちょっとバカっぽいワクワク感のある映画だったので、オリジナルは…格調高いんだ…ええ…人見知りしちゃう…
「なぜショッピングモールにゾンビが集まるか」に、映画の中では次のような説明がされていました。
「本能だ、生前に好きだったところに集まるんだ」
ゾンビが「アタマ空っぽの消費者」のメタファーだとしたら、ここは文明批判的な文脈で取るべきでしょう。
「流行ってるからって理由でなんでも欲しくなり、惰性でお金を使いにショッピングモールに来てた」って。
切ないな…
ロメロはショッピングモールにいい思い出はないのでしょうか。
わたしは違った風に思ったな。
その説明を聞いて、
家族とショッピングモールに来て楽しかったのかな、とか。
中学生の頃ここでデートしたのかな、とか。
貯めたお金を握りしめて、ずっと欲しかったゲームを買いに来たことがあるのかな、とか。
真っ先にそう思いませんか?
わたしがゾンビになったら、映画館と書店と神社をぐるぐる回ってしまいそうです。回るだろうな。そりゃ回る。いい思い出があるもの。