紙を回すことについて、まとまらない意見。

 小1の時、トナリの席の男の子が画用紙を回しながら描く子でした。誰だって多少は紙を動かすと思いますが、彼は多少どころではなかった。隅っこにも絵を描くために画用紙を回すのか、画用紙を回したために上辺の角などに余白を再発見してしまうのか、とにかくモチーフを山ほど、紙一杯に描く子でした。
 結果、できあがる絵はどっちが上か分からない絵でした。*1
 いくら注意しても直らないので、先生がキレて、彼の画用紙を机にテープで固定してしまいました。
 できあがった絵は、確かに上下の区別はつきました。
 が、絵は生気を失いつまらない作品となったのであった。と書くとハナシとしての座りは良くなると思いますが、そこまでは記憶にありません。ただ、教師の言うことが正しいと思っていたので、彼の絵に秩序が戻ったと思った。
 今思えば、小1の絵なんだから天地無用でもなんだって良かったんじゃないかと。


 で、ここで紙をまわしつつペン入れをすることについてハナシを続けようと思ったのですが、構図を考える段階で紙を回すのと、下描きが「完成」してなぞるだけになった段階で紙を回すのとは意味が違うんじゃないかと、思い至り、ハナシがまっすぐにつながらないのでちょっと困りましたが、適当にやります。
 以前、プロの漫画家さんの生原稿を見る機会がありました。
 その漫画家さんは、水色の鉛筆でアタリをとっただけでペン入れをしているようでした! 人物の顔なんか丸に十字だけで。びっくりした。
 えーと、何が言いたいかと言うと、紙を回すと一発描きは両立しないんじゃないかと思ったのです。紙を回しちゃ形が取れないし。そのプロ漫画家さんは、手の中でペンを回す派だったのでしょうか。
 そこから考えるに、今より効率を上げようと思うならペンを回すテクを習得しなきゃならないのかも。ペンでの描きやすさ優先で、紙は回していいと割り切るなら、ある程度以上完成した下描きを用意しなきゃならないなあ。と。

 恥を忍んでさらしますが、今日の写真は下描きであります。一緒に写っている眼鏡はおニューの眼鏡です☆
 これを原稿用紙にテープで固定して、ライトボックスですかしつつなぞる訳です。
 「迷い線がない」と褒められたこともありましたが、実態はかような、効率の悪い、創造性に欠けたことをしている結果なのであります。ハハハ!………ハァ。
 「ペンが走る」感覚の価値をようやく理解しはじめたので、コレじゃ良くないんじゃないかと思い悩む日もありますが、趣味でちょぼちょぼ描いている分にはどっちでも良いのかも。その時々の気分で好きにやってみようと思います。と無難にしめます。

*1:今思うと「エンダーのゲーム」のゲーム場面みたいだったかも…