『ウルトラヴァイオレット』

 とにかくミラ・ジョヴォヴィッチがカッコ良くて強くてミラ様1人でガン=カタ(違)で1000人ぐらいぶっ殺してて(一部省略あり)*1、お主こそ真の三国無双よ!って感じで、あとはストーリーなどはあってないような感じで、映画と言うよりミラ様のPVって感じでした。 
 いやあ、カッコ良かった。潔かった。
 まずオープニングが。
 「ウルトラバイオレット」物のアメコミ表紙(架空のもの?)があしらわれていて、日本のアニメDVD風のもの(もしかしたらプレステソフト?)も混じっていました。
 とてもカッコイイオープニングだと思いましたが、同時に、こういう映画なんだから突っ込むなよな!と言われている気がしました。
 それらのイラストですけれども、非常に魅力的かつ個性的で、さぞや名のある人に描いて貰ったんじゃないかと思って目を皿にして見ていましたが分かりませんでした。エンディングクレジットを注意して見てくればよかったと今思いついて後悔しています。あまりにも無駄を廃した潔い映画で呆然としちゃって、クレジット見るの忘れちゃったんだ。
 舞台は未来で。
 ホログラムで服や髪の色を変えることができます。
 1P黒髪黒コス・2P紫髪黒コス・3P黒髪白コス・4P黒髪ダークレッドで、わたしは2P4Pあたりでプレイしてみたいなあって感じでした。とてもゲーム的だと思いました。
 ベルトのバックル大の重力制御装置が実用化されています。これがあれば壁でも天井でも走れます。とてもゲーム的だと思いました。
 日本人として、筋力とスピードに優れた人が数秒間壁を走るのは別に抵抗はありませんが(本当はそれもどうかと思われますが)、西洋人は「重力制御装置があるの!」と理屈付けしないと駄目なのでしょうか。
 またこの重力制御装置、大型バイクごと重力制御できるなかなかのパワーで、軽量かつ長時間稼働OKで、動力源がどうなってんのか微妙に気になりました。
 ミラ様の両手の銀色のリング、あれ、四次元ポケットなんですよ!
 何十丁も機関銃が入るし、弾なんか無限に入るんじゃないかなあ。重装備でもかさばらず、シルエットが美しいまま。収納してれば重くないよ。てゆうか動力源は?個人の持ち物の範疇を越えてませんか?えーととにかく、とてもゲーム的だと思いました。


 ミラ様(ヴァイオレット)には過去に辛い思い出があったことがほのめかされます。
 で。
 冷たくて近寄りがたい感じなのは、辛い思い出のせいであって、ホントは暖かい人なんじゃないかなあ、可愛らしい人かも知れん、と観客は期待して見ている訳です。
 ぜったい恋愛要素が来るんだと思ってた。
 そんでクールな戦闘機械の仮面の下が見えそうになって、狼狽したり恥ずかしがったりするヴァイオレットが見たい!と期待して見ていたのですが。
 戦闘機械→女の子という段階がすっ飛ばされて、ダイレクトに母性に逝ってて驚きました。しかも母は強し系だった。
 たまに、西洋とはセンスが違うなあと思います。*2
 ちなみに、恋愛要素をミラ様に振ったものの、相手にされなかった男性はmyフェバリット映画「アルマゲドン」のシャープ大佐の人でちょっと嬉しかったです。


 行き過ぎた管理社会vs自由な人間という構図もあります。
 敵として描かれる体制側キャラクターには、観客に生理的に嫌いだと思わせるような要素が付加されます。たとえば個性を包み隠す制服とか。堅くて融通の利かない考え方とか。神経質さとか。
 この映画では、行き過ぎた潔癖主義という要素が付け加えられています。迫害される側がある種のウィルス保菌者という設定なので。
 ラスボスの鼻フィルターは可笑しかったです。口から吸った空気はいいのでしょうか。突っ込みたくてムズムズしました。
 テロリストのアジト襲撃にまでラスボスがmy滅菌おしぼりを持参してたのは、まあ、あるかなと思いましたが、銃まで滅菌パック入りだったのはちょっと一本取られたと思いました。

*1:戦闘の音だけ、とか場面が変わると敵が全員倒れている、なんて場面があったの…

*2:ストーリーがいい加減でよく分からなかったけれどヴァイオレットの殺し屋キャリアは12年あるらしく、ちらりと見えた12年前?のヴァイオレットも成人だったので、現在30歳前後の可能性があるかも。また、ミラ様を元にして作ったキャラクターなので、ミラ様と同年齢の設定というのもありそう。30歳なら戦闘機械→少女じゃなくて戦闘機械→母かもなあ。