『蒼天航路 クロニクルエディション10』
危うく買いのがすところだった…!
「クロニクルエディション」とは、単行本・漫画文庫とは別に、雑誌形式で出してる『蒼天航路』の総集編です。
掲載誌と同じサイズで、同じ紙質で、掲載時に扉に入っていたコピーやハシラの文が完全再録の楽しい総集編です。
連載時、「今週はどうなるんだろう」と期待に満ちて扉のコピーを読み、「来週はどうなるんだろう」と最終ページのハシラの予告を繰り返し読んだ熱い思いが蘇ります。
カラーページも、もちろん掲載誌のサイズでカラーです。(最終話は、掲載時そのままに白黒です)
10年を10冊に!の合い言葉で刊行がはじまったと聞いています。
9年目あたりで終了のめどが立った頃に企画したのだと思います。確かに9までは1年1冊だったと思う。
ですが、10年目が年数もページ数も延びてしまったがために、コピーが「10余年連載を10冊に!」と歯切れの悪いものになってしまいました。
ページ数は1320ページ。今までの倍近く?
とりあえず、缶コーヒーと(サイズ比較用のタバコ箱あるいは1ドル札がなかったので)、一般的な厚さと思われるコミックスと比較用の写真を撮ってみました。
通読するには適さないと思います。
ぜったい背が割れる。
寝ころんで読んでたら手がしびれそうです。
手が滑って顔面に本が落下したら大惨事になりそうだ。
とか言いつつ読んじゃった。
メインの人物がしゃべっている端で乗馬が表情豊かにしていたりとか、脇キャラがとぼけた死に方をしていたりとか(陳イさんごめんなさい)、細かい描き込みを探してコマゴマと眺めていくのが面白かった。この人の描く虎はいいな。特に厚い手の平がいいな。大きな版はいいな。いいな。
サイズが大きいと迫力があっていいですね。
熱い場面はより熱く、凄すぎてギャグギリギリの場面もよりギリギリで。
白眉は漢中王ショックと矢関羽かな…矢関羽、矢がコマからはみ出てるよぅ。
あと、巻末Q&Aで作者が挙げている三国志関係で面白かった本は、高島俊男『三国志人物縦横談』魯迅『魯迅評論集』です。
前者は改題されてちくま文庫で出てると思う→『三国志 きらめく群像 (ちくま文庫)』
いろいろ得心が行きました。