「ライトハウス」の真実?

 本編109分+町山智浩の解説動画18分の編成で、親切なのかお節介なのかわからぬ。

 わたくしホラーでもホラーなりの理論がビシッと通る瞬間が好きなので…そういうの(キャラにとっては不条理でも、観客にはある程度説明や種明かしがある)を期待してたので、そんな甘いもんじゃなくて。甘いこと考えててごめんなさいって気持ちになり、気持ち悪さとダメだこりゃ感をめいっぱい満喫しました……こういうのは映画館の良い音響で楽しみたいですね。あの霧笛?が神経がささくれ立つんだ。

 クイズ要素が楽しかったです。 たくさんのオマージュや引用元があって。パンフおすすめです。いっぱい答え(引用元)が書いてあります。わたしはメジャーなやつ2個しかわかんなかったな!

 ライトハウス最後のアレ、町山氏は「宇宙卵」だと述べていました。なんでも、監督自身がインタビューでそう答えていたのだそうです。続けて町山氏は「なんで19世紀のど田舎に宇宙卵があるんでしょうね?」みたいな無粋な突っ込みを入れていて、町山氏はそういうこと気になるんだ…となった。町山氏って、メタファーとか象徴って視点、ないのかな…。 クソ田舎の平凡なできごとにも人類誕生以来くり返されてきた普遍的テーマが含まれ得るし、そのその辺のおっさんの行動にも神話に通じる象徴性が含まれ得るのでは…

 えーと話は戻りますがその「宇宙卵」説に異議あり

 灯台の上にあって、年配の男性が独占して若者にぜったいに許さなかったもの。若者は渇望するけれども、大罪を犯してまで手に入れる価値はなく、手に入れた後には後悔しか残らぬもの。そう考えると…はい、フロイト先生はやかった。的なものでは?

 それでも宇宙卵と言えば宇宙卵なのかなあ。

 登場人物2人が象徴する神格がハッキリしてるから、フロイト説を入れていいものか迷いますが……もしかしたらひとつの「答え」なんかなくて。ロールシャッハテストみたいにただ自分に見えたものを言ってよくて、他の人の答えも聞いて「その発想はなかった!」とかワイワイやる種類の映画かも知れませんね。

 

 エガース監督の次回作は10世紀のアイスランドを舞台にしたヴァイキングの映画だそうです。主人公はアムレート王子だそうです(デンマークの伝説の人?ググった)