「工作 黒金星と呼ばれた男」

映画「工作 黒金星と呼ばれた男」がむっちゃくちゃ面白かった。
 
韓国発、現代史スパイスリラーです。
 
大鉱脈を感じました。
冷戦を背景にした東西スパイものは、こう、時代も世界の対立の構図も変わっちゃってピンと来ないってか…
でも南北朝鮮スパイものは、素材がフレッシュなのですね。90年代の物語だから背景になる国際情勢も今と地続き。似たようなことが今も起きてるのかも?!ってドキドキする。
 
時代が近いってことだけでなく。
そもそも北朝鮮がキャラとして強すぎると思います。
前半のクライマックスは、スパイ氏が平壌に招かれて将軍様金正日)に会うシーンです。
そこは神話性すら感じた…
異界の荘厳さ、物々しさ、何重もの試し行為。
北京でしょっちゅう会ってた北朝鮮の人々が、まったく違う顔を見せます。ここが彼らの本国だから、これが彼らの本当の姿なのかも知れない。
そして国主の威光とプレッシャー。国主じきじきの生と死を分ける最後の試練。
神話に見る「冥府下り」の趣すら感じました。
わざとそう演出してるのかも知れませんね。
あー、むかしのスパイものの「鉄のカーテン」の向こうのクレムリンもこんなイメージだったのかしら。
若いから分かんないな!ざんねん!(90年代が最近と言う者は若くはないのかもですが)
 
だなんて無責任にワクワクしちゃいましたが…
準戦争状態にある国には、こういう苦労があるのでしょうか。
いつどこで公安に刺されるかわかんない緊張感が…