「インデペンデンス・デイ:クルーシブル」
97年以来のエメリッヒファンですが…インデペンデンス・デイの続編にはガッカリしてしまいました。しくしく。
インデペンデンス・デイ:クルーシブル: ~胎動/1947-2016~ (文芸書)
- 作者: グレッグキイス,Greg Keyes,遠藤公美恵
- 出版社/メーカー: リンダパブリッシャーズ
- 発売日: 2016/06/21
- メディア: 文庫
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16年前半現在、関連ノベルが2作出版されています。
ひとつは続編のノベライズ、もうひとつはこちら。前日譚となっています。
続編「リサージェンス」を観て、息子世代パイロット組と、ダブルマチェーテの黒人に違和感を覚えました。意味ありげな描写が多くて。そのへんはきっと伏線で、これから劇中で語られるのかなーと思ったら全くそんなことはなくて、キャラクターが多すぎて説明不足の消化不良の感じだけが残った。しょんぼり。
その違和感の正体は「クルーシブル」のストーリーをふまえた描写が中途半端に入っていたからかも知れません。
まえに続編は3部作とか4部作とかって構想を一瞬聞いたような気がしたんですが…もしかしたらこの前日譚も映像化される予定があったのでしょうか。
「クルーシブル」は前日譚です。前作の日から始まって、ホイットモア、デイビットとコニー、ウィル・スミスのその後が語られます。
パイロット組の学生時代の話も…だいたい「リサージェンス」を見てて見当がつきましたが、ウィル・スミスの息子、ホイットモア大統領の娘、月で干されていたジェイクが同期生で、学生時代にいろいろあったんです。いろいろ。三角関係的な。ああやっぱりね。でも正直しょうもなかったので、映画ではそのへん思い切って整理しても良かったんじゃないかな…
ジェイクとチャーリーが同じ孤児院出身ってことが分かったのだけが収穫でしょうか。「俺たちは家族だから」ってのはそういう意味なんですよ!ほも的に解釈してごめん!と思いました。
と、さんざん悪口を書いていますが…、ダブルマチェーテの黒人部族長・ディケンベ・ウンブトゥのストーリーが面白かった!
大味などっかんどっかんムービー本編ではぜったいに見れない部分です。
前作を見た後、復興のストーリーを想像したことはありませんか? 宇宙人の残党がどこかにいるのでは?と想像したことは? 一見ハッピーエンドだど、あの後が大変そうだなーって。
ディケンベの戦後の人生はまさにそれでした。
97年の戦いの後、ディケンベの故郷には損傷のない宇宙船が着陸していて、宇宙人が数千人単位で取り残されていました。ディケンベの父は地元民を率い、10年かけて宇宙人を駆逐しました。アメリカの援助も、国連の援助もはねのけて。
宇宙人はいなくなったけど、故郷は永遠に変わってしまった。狂気の独裁者を頂く孤立した「共和国」に。
97年の侵略戦争がなかったら、ディケンベはロンドンで芸術家の道を選んでいただろう。(そして実家からは勘当されていた)
その彼が、戦いの道を選び、宇宙人との戦いで勝ち残り、父である狂気の独裁者と対決する。ヒロイックなストーリーでした。
続編中では、いるだけでメガネの監査官に劣等感を抱かせ続けていたディケンベですが…。意外と彼に共感をしていたのでしょうか。それとも、戦いに高揚感を感じる彼を冷ややかに見ていたのでしょうか。
現状では10人が10人、「意味ありげに出てきたけど生かし切れてないキャラ」「ばっさり削った方がストーリーがすっきりしたのでは?」と思うであろうディケンベ… 彼が主役のスピンオフが見てみたいな。アクションがメインで、90分ぐらいのチャキチャキしたやつを。