漫画喫茶に行った

 先年、本社のすぐ近くにインターネット&コミックカフェができました。
 店の前の「お品書き」を見るに、漫画、インターネット、ゲーム(ネトゲとPS2)、映画DVDともうわたしの大好物どまんなかばかり。
 特に日が短くなってくる今頃の季節、ぐったりして会社を出ると目の前に大好物ばかりをずらりと並べたその店の窓が明るく輝いてより一層魅力的に見え、あそこには身も心も暖めてくれるなにか素敵なモノがあるんじゃないか、と錯覚してしまいます。タロットカードの金貨の5か、マッチ売りの少女みたいな気分。
 まあ、よく考えると漫画もネットもゲームもDVDも全部我が家にもあるなあ、と我に返って家路を急ぐことになりますが。家に帰ればご飯もあるしね。


 きょう、ついに、とうとう、そのお店に入りました。
 恥ずかしながら漫画喫茶は生まれて初めてです。勝手が分からなくてドキドキしたあ。
 直接の動機は、夜勤まで中途半端に時間が空いていたからです。
 もう一つの動機は、ちかごろ思う所があって、モノに執着するのはやめようと思っていたのです。
 万物は流転するのです。諸行無常なのです。本と漫画は天下の回りモノなのです。所有し続けなくてもいいじゃないか。無理に所有し続けなくても。苦しいよ。寝る場所がなくて。


 いやしかし、いいもんですね、漫画喫茶。
 かつて定期購読していた雑誌の、具体的に言うと月刊アフタヌーンなんですが、わあ取るの止めちゃったあとでもコレずっと連載続いていたのかー読みたい読みたい読みたいとか、昔の熱い気持ちを思いだしたぜ。
 漫画喫茶の棚を見て思ったのは、書店の棚の品揃えは新しくてよく売れるものに偏っているんだな、ということです。
 タイトルだけ耳にしていた守備範囲外の作品もチェックできて、世界が広がりますね。
 むかしは本屋さんでパラ見…というか立ち読みができて、そこで世界が広がっていたように思います。多くの書店が新刊漫画をビニールで封印するようになってから、思わぬ出会いの機会が減ったように思います。きれいな本を買えるのはありがたいことですけれども。
 煩悩を捨てたつもりで、かえって煩悩が増えちゃったかも知れない。
 漫画喫茶で。


 きょうは、惣領冬実の『チェーザレ』1・2巻と若杉公徳デトロイト・メタル・シティ』2巻を読みました。それにしてもほんとうにくだらなさすぎるよDMC。大好き。