[本]『成る 魏書 下 正史 三国志英傑伝』

成る 魏書 下 (正史 三国志英傑伝)

成る 魏書 下 (正史 三国志英傑伝)

 歴史書としての「三国志」には司馬懿の項がないのです。
 彼は次の王朝「晋」のご先祖様として、晋の歴史書で大きく取り上げられるべき人だからです。理屈は分かるのですが、乏しいお小遣いでちくまの「正史三国志」を買い集め、最後に司馬懿の項がないのに気づいた時はガッカリしたものです。
 この本を作った人は気を利かせてくれたのだと思います。
 晋の歴史書から司馬懿の項を引っ張ってきて収録しています。わぁい。
 書かれた時代も執筆者も違うので、他の人の項と信憑性も描写スタイルも違っちゃってて混ぜるな危険と思わないでもないのですが………有り難いです。ハードカバーじゃなければもっと良かったです(血涙)
 全部読んでいないのですが(眠くなったから)、聞きしにまさる働くの嫌いっぽさだと思いました。司馬懿の若い頃は。
 就職するのが嫌で、仮病まで使って逃げ回っています。30歳ちかくまでニートしてた孔明とどっこいかも知れません。*1
 なのに40代半ばを過ぎて、曹丕の代になってから急に働き者になったように見えます?
 出張遠征をたくさん引き受けて、呉と戦って、孟達をやっつけて、西の方で孔明と戦って、その後は朝鮮半島の根本のあたりで戦って、また呉と戦って、帰ってきて、さすがに疲れたのでしょう5年ぐらい?仮病して充電してクーデターGO!
 馬車か船か歩きしかない時代に、60歳近くまで遠征してたのはきつかったろうと想像するのですが(しかもけっこう騎兵速攻とかしてるし)、若い頃に仮病で寝ていた分、力が余っていたのでしょうか。

*1:お金持ちの家の人なので就職しないでも大丈夫だったのかも。曹操の所に就職したら命が何個あっても足りないと思ったのかも。