弟との対話

「弟よ、姉はすごい漫画を知ったぞ」
「おお姉上、某もまた、すばらしい漫画を見つけましたぞ」
「それはよきかな。だが弟よ、姉の見つけた漫画にはかなうまいて」
「なんの姉上、某の勧める漫画とて、負けてはおりませぬ」
「言うたな。ならば、弟の勧める漫画とは何か、言うてみい」
「いやいや、姉上様からお先にどうぞ」
「ははははこやつめ、姉の手の内から先に暴かせる気か!」
「ならば姉上こう致しましょう。自身の掌にその漫画を記し、同時に見せるのです」
「おお、それは妙案。ではそのように」
「そのように」
 かくて姉弟の掌にはある名が記され、えいやの合図と共に互いの掌は開かれた。
 そこに記された名を互いに確認し、やがて姉弟はどちらからともなく笑い出した。二人の掌には、同じ名が記されてあったのだ。
 『週刊 石川雅之 (モーニングKC)』と―――

 というわけで『週刊 石川雅之 (モーニングKC)