『スクライド』

 スクライド 1 (少年チャンピオン・コミックス)
 す…
 すごく面白かったよ…漫画版「スクライド」…
 「アニメと別物」「つうかJOJO」との解説つきで手渡されたのですが。
 イイ。凄くイイ。
 なにかはみ出ている。それも凄い勢いで。
 さいしょ、きったない絵だなあと思っちゃいました。ごちゃごちゃして黒の面積が多くて読みにくいなあ、どこに何が描いてあるか分からん、とも。スミマセンスミマセンスミマセン。わたしの目が節穴でございました。
 目が慣れてくると、イイんだ。実にイイんだ。
 少年バトル漫画らしく、大ゴマやぶち抜きや見開きが多用されていますが、それがとてもきまっています。クーガー兄貴が足を高く挙げて構えている絵はゾクッと来ました。vsT・T戦の劉鳳とシェリスの合体シーンは魂がふるえました。いや、もしかしたらココは笑うところなのかも知れないけれど、魂がふるえたのは本当です。
 力の入った絵もイイのですが、脱力した絵も佳いんだなあ。端役のへろっとした適当な表情や、変な手とか。最初に迫力のある絵に目が行きますし、そこを見ていればストーリーが追えるから正解なんだと思いますが、再読時には、こんな所に変な絵があった!と宝探し気分で楽しみました。
 そうそう、ジグマール隊長が初登場したとき、厳しい大人の男の顔なのになぜか手が変なポーズで笑いツボを突かれて5分ほどうずくまって笑ってしまいましたっけ。手で内心の驚きを表現していたのか。あとあとあと!立浪ジョージの「アイム・ジャスティス!」のコマ。過剰に強調されたパース、変に力の入ったポーズ、変な左手、あの絵だけでしばらく笑い転げてしまったデスよ。ああ、こんな絵が描けたら楽しいだろうなあ。
 あと、描き文字もイイですね。適当に書いたっぽい字が良い味出してます。
 長音の記号「ー」が、へろへろと長く伸び、キャラの向こうを通って反対側に達しているのも…それがどうした、と言ったらそれまでかも知れませんが、気になり出すと気になって気になって。あ、また反対側までひょろ〜っと伸びてる、と気がつく度に頬がぴくぴくと。

 絵のことを延々と褒めてしまいましたが、ストーリー面も楽しみました。正気が疑われる展開がまたクセになります。
 冒頭から、敵キャラのおでこに字が書いてあるので参りました。Freedomとか美とか。*1いまどきそりゃないだろう。しかも誰も突っ込まないし。
 後半になると、一ページ一ページが笑いの地雷原に見えました。次はどう来る?どう来る?と腹をくくっていたハズなのに、思わぬ方面から笑いツボ直撃されて。最後まで予想の斜め上をイカレて…腹いてぇ。
 アニメと漫画、2種類のおいしさを堪能させて頂きました。ありがとう。(蔵王のお山の彼方に向かって手を合わせる)

*1:こーゆーのの起源ってキン肉マンだと思っていましたが、もしかしたら「虎よ、虎よ!」だったりとか?なんて急に思ったり思わなかったり。