『キング・アーサー』--とても漢らしい映画。
とても漢らしい映画だと思いました。
汗と泥と血で汚れた逞しいおっさんたちが容赦なくドアップになるのが漢らしい。*1
アーサー伝説の原型となる史実があるんだよーっていきなりローマ時代のキャラだけ借りた別物映画が始まるのは漢らしい。シンプルなストーリーで潔く2時間にまとめたのも漢らしい。
言葉を交わさないでも、いつの間にか仲間が死地に向かうアーサーの脇に立っているのも漢らしい。
アーサーが一人孤独に葛藤してるのも漢らしいと言えば漢らしい?
あと、もう一点漢らしいなあと非常に感じ入った点があるのですが、それは後ほど。
パーティは、アーサー+騎士6人+後に合流する蛮族女戦士の8人です。
正統派っぽい甲冑を身につけたアーサー、戦隊モノで言ったらブルーの二刀流テクニカルファイターのランスロッド、地理に詳しく弓が得意な飄々としたトリスタン?、スキンヘッドで子だくさん子煩悩モンク風戦闘スタイルの男、ナイフが得意な男に斧が得意な大男、こーゆー連中がそれぞれの得意な武器を手にズラリと並ぶ姿………
古き良きRPGの思い出が走馬燈のように蘇り、胸が熱くなりました。
蛮族女戦士に至っては半裸で肌にペインティングしてたりなんかして、ああ、こーゆーキャラっているいるーって感じ。
騎士達の性格も、RPGの(ありがち)キャラ設定+戦隊モノの定石の知識でほとんどカバーできるような気がしました。それで、そこがクセモノなんだ!
えーと、本歌取りっての?
意図してか無意識か分かりませんが、先行作品を連想させるキーワードがちりばめてあるモンだから、見ているこっちは先行作品の感動を思い出して、今見ている作品で同等の感動を感じていると勘違いしちゃって。
白状すると、冒頭の勢揃いだけでブルっと来ちゃって客観的評価不能な感じ。
悪しきハリウッドそのもの(だと私には思われる)ブラッカイマー氏製作の映画を観て我が国の、しかもジャンル違い作品を連想するのは不思議なんですが…萌えあるいは燃えポイントは西洋でも東洋でも似たようなものなのかなー…と無難にシメます。
えーと。
↓漢らしいなあ、と感心を通り越して唖然とした点。
クライマックスの乱戦の場面で、主要キャラ全員怒号ばっかりで全くセリフがなかった。*2
リアリズムなのかなあ。絵だけでストーリーを表現する自信の表れなのかなあ。
でも、いくら乱戦中だって、主要キャラ同志が刃を交える時には気の利いたセリフの一つも交わすのがエンタメのお約束ってモンじゃありませんか! 因縁試合ぽく演出したり、キャラ立てしたりとか!!(コーエーのゲームのやりすぎでしょうか)
素晴らしい評を見つけました。
http://d.hatena.ne.jp/Projectitoh/20040731
アーサーは劉備玄徳を思い出すなあとぼんやりと。その感じをしっかり言葉で説明してもらって気持ち良かった。