『砲神エグザクソン』7巻--完結

砲神エグザクソン(7) (アフタヌーンKC)
ASIN:406314352X
 月刊アフタヌーンで97年から連載していた作品が完結しました。
 変な作品だと思います。巨大ロボットで侵略宇宙人と戦う話で、絵ぢからで正しく巨大に見える巨大ロボットが「砲神」の名に恥じぬ大口径砲(光学兵器じゃないのがミソ)を撃ち合う、それだけで燃えるから読みたいんだけど、不快な要素*1が混じっていて読んだあとで必ず後悔すると。でもストーリーが大風呂敷だから、どうたたまれるのか気になるではありませんか…。


 主人公には、二つの試練が課せられています。
 まず、宇宙人を退けて地球を護らねばなりません。
 その一方で、巨大ロボットを与えた祖父をも退けねばなりません。
 祖父は、自分の言う通り演じるならば「ヒーローにしてやる」と迫ります。万能パワードスーツ・巨大ロボット(力)と巨乳のサポートアンドロイド(色)*2で誘惑します。権力もちらつかせてたかも知んない。
 何の説明もなく巨大ロボットの操縦席に乗せ、祖父の言う通りにせねば負けてしまう状況に主人公を追いやります。しかも、自分が戦えば周囲の人間は被害を受けます(巨大ロボットが動く訳だから!) 自分の回りの人間の生命と、地球全体の利益を天秤にかけて見せ、主人公に決断をせまります。誰かをクレイジーにして(都合良く)操作するには、これ以上ない狡猾な手段だと思います。宇宙人もひどいが祖父もひどい。つか両者は同類みたいな気もします。
 主人公はいつもテンパった状態で、祖父に(いやいや)従ったあとで後悔したり、短絡的に反抗して後悔したり、別の方法を試してうまくいかず後悔したりします。ふらふら腰がさだまんなくて、臨界に達するとウツには行かずぶち切れちゃう主人公は、宇宙人とも祖父とも違う第三の道を見つけられるのかなあ。現実的な自信に裏打ちされた安定した人格へと成長するのかなあ。
 どうせ地球は大丈夫だろうと思っていたので、主人公の自立度の方が心配でした。


 6巻と最終巻7巻を買ってきました。ちょっと納得が行かない…かも…?*3

*1:私はこの作品の女性の描き方が不快に思えて仕方ないのです。特に砲介ガールズがダメ。キンバー先生受難後の処置には怒りを覚えました。

*2:コイツが万能すぎてねえ…ハナシをつまんなくしてるように思えてなりません

*3:私は個人的にはシェスカがちょっと好きだったのですが、中ボスオーラ出しまくりの彼が最後まで逃げ切っちゃうのは減点要素みたいな気がします?