「チェルノブイリ1986」
ロシア映画がまた東北に来たよ!
「T-34 レジェンド・オブ・ウォー」が、子どもの頃に浴びるように見ていたハリウッドアクション映画の香りがしてすごく楽しかったので、ロシア映画は見たくなってしまう。
日本版ポスターの「全露初登場NO.1」というアオリもハリウッド映画みたいでワクワクしますね。ちょっとアホっぽくもあっていいなって思っていました。
「チェルノブイリ1986」
すごいよ、潔くエンタメに振ってきた。
主人公が消防士、元カノと10年ぶりの再会、もうこれだけでストーリーが想像つくというものです。まあだいたい「アルマゲドン」ですね。書記長のかっこいい演説がないぐらいで。まったくひねりのない直球ストーリーを、音楽と映像で殴ってくる。剛腕だった。
特に音楽が良くて。オーケストラメインの劇伴がずっと鳴ってて。事故の凄惨さもヒロインの千々に乱れる心も狂ったようにかき鳴らされるヴァイオリン(ホラーでよく聞く感じ)が表現し分けてて。それが急に沈黙に座を譲ったかと思うと、重く響き渡る事故の金属音。音響の良い映画館で見て良かったです。
事故後に立ち上がる対策チームが仕事ができる人ばかりだったのもストレスフリーで気持ちよかったです。さすがにここはフィクションだろうと感じたのですが…
ところがIMDBを見ると評価低いんですよ…
「最低」「プロパガンダ」
炎上してると言ってよい雰囲気だ。
センシティブな題材をエンタメにしちゃったからかな…
この映画のアルマゲドン風味をわたしは楽しんでしまいましたが、見る前はこんな気持ちでした。そういえば。
ちょうどフクイチと似た感じ…?
— もなか2012 (@monaka2012) 2022年8月5日
エンタメに全振りすればアルマゲドンみたいになるはずですが、それはこころがチクチクしてできない…はずだ。もしも、もしもエンタメ全振りの作りだったら。それを見て楽しんじゃったら。罪悪感で死にそうになりそうだ。見たい。見て確かめたい。
別の時代、別の国の映画っていいですね。
珍しいのと、なじみがなくて良くわかんないのが入り混じって繰り返し思い出して反芻してしまう。
1986年のソビエトの街の風景を興味深く見ました。
街は清潔でおしゃれで、人々もおしゃれで豊かに自由に暮らしているように見えました。社会主義国家でいろいろ制約がある中でも、うまく立ち回って楽しく暮らしてるみたいだった。フィクションなのかな。それとも平均収入が高いエリアなのかな。
子ども部屋に映画のポスターが貼ってありました。ターミネーター、ランボー、何の映画かはわからなかったけどジャッキーチェン。ここはリアルなのかな。それとも「私どものこの映画はこういう映画なので!」という宣言なのだろうか。
そしてあの武骨でバカでかいソヴィエトケーキ…
わからないところもあって。
事故対策チームの黒スーツの偉そうで立派なおじさんが誰かわからなかった。
党の偉い人なんだろうけど、どういう命令系統なのかよくわかんなくてモヤモヤしました。
映画の中で黒スーツのおじさんの身分証明書を見せてもらうシーンがあって。虹色のSSRカードみたいな身分証明書で、主人公は「ウハーこんなんはじめて見た」ってリアクションで。ロシアの人と詳しい人はこれだけで分かってしまうのでしょうけど、わたしはわからなかったのでそういうのはパンフに書いておいてほしかったな。
この答えは後ほど。