内職

 ここに、映像と音声のタイミングがずれてる30分強の動画ファイルがあります。
 映像と音声と単品ならむしろ萌えなのに、ずれてセットになっていると実に気持ちの悪いものですね。
 インターネットでいろいろ調べた末に、しかるべきソフトを使えばズレが直せることが分かりました。
 パソコンってすごい!


 一瞬すごく感動したのですが、どのくらいずれているか数字でプログラムに指定せねばなりません。
 人間がだ。
 こういう問題は解いたことがないので、ひどく困りました。
 解いたことがないと言うか、映像と音声が明白にずれている動画を真剣に見る羽目になったのは、わたしの短くもない人生に於いて今回がほぼ初めてであって、じつは貴重な体験なんじゃないかという気がしてきました?
 正直、つらいです。
 なんとなく音の方が早いと思ったので、ズレを1秒と指定して変換したら、もっと気持ち悪いものができあがりました。超つらい。
 ただ一つの勝算は、人間の目と耳は、1ミリセカンド(=1秒の1000分の1)単位のズレまでは認識できないだろう、という事です。だいたいあっていればそれほど気持ち悪くないに違いない。そうであってほしい。
 それだけを頼りに、700ミリセカンドから20〜50ミリセカンドきざみで数値を変えて変換しては、再生して気持ち悪いメーターに問うておりました。
 動画を扱うのは、おそろしくマシンパワーと時間を喰うのですね。
 我が家でもっとも早いパソがかかりきりで、30分ぶんを変換するのに1時間半かかるのです。
 トライ&エラーを繰り返して1週間以上、ようやく、早口でしゃべる部分以外はそれほど気持ち悪くないものができあがりましたので、ここらへんで諦めることにします。


 動画変換ソフトは市販品の試用版を使っていました。
 14日間の試用期限内に今回の試みは納まった(飽きて諦めたとも言う)のですが、さんざん使わせて頂いたので、感謝の意を込めてソフトを購入しようと思っています。これだけ親切にして頂いてお代を支払わないってのはなにやら申し訳なくて。
 などと神妙なことを言っているのは、今回の件でいちばん感謝の意を込めてお代を支払いたい相手は別にいて、
 だがそれは言ってもしょうがない。
 けど、やっぱり申し訳ない気持ちでいっぱい。


 …こんな不義理がきわまりまくっているステータスで、あした三国志大戦やりにいってもスーパーレアカードなんか引けないだろうなあ。