『ファイブスター物語 12』
ファイブスター物語 (12) (ニュータイプ100%コミックス)
- 作者: 永野護
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2006/04/07
- メディア: コミック
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連載が長いため(加えてかなりの期間を休載しているため)、その時々に作者がはまっていたモノがダイレクトに出ているのがほほえましいです。
あと、けっこう流行とかも入ってますか?
今号では、なんと永野護ともあろうお方がメイド!!!!と萌え!!?百合!?
ただメイド(風のデザイン)を登場させるだけではなくて、本格メイドウンチクから始めちゃうあたりが、作者の誇り高さを感じさせ、とてもほほえましく思いました。
人類史上最強の男とか星団史に残る天才とか、ずばり神です。
とかの設定のキャラがゴロゴロ出てきていて、よく見ると痛い設定じゃないかなーと、たまに思います。
どうしても王族とか貴族とか、国家に帰属する騎士団とかが多く登場するので、なまなましい政治のえげつなさ。
が出てきそうで出てこない。
独特の脱力系のギャグでかわされてしまいます。
今巻では戦時下の議会コントロールというえげつないネタが、美少年女装ギャグで流されています。
それでいいのかA.K.D.!!それでいいのか永野護!!
まじめに突っ込みますが、皇帝が平均寿命の3倍生きても若く美しいまま元気でいたら(神だし)、そうとうヤバイ神権国家になっちゃいそうに思うのだが、どうか。
いくら皇帝が親しみやすいウッカリキャラを演じても、演技でなくて地であったとしても、不老不死という事実それ自体に対してフツー人は畏怖や恐怖を抱きそうなもんだと思います。
まあそれはともかくとして。
最初からレベル99の完璧キャラばかりがわんさか出てくる漫画かと思っていましたが、今巻で古株の最強キャラの一人(剣の腕でも、悩まないという点でも)が人生の悔恨を語り出して、とても驚きました。
見れば、若き皇帝と女騎士のエピソードは「大人になること」というテーマを持っています。少し前から出ている彷徨う少年は、正統派英雄伝説の星回りを持っているようです。冷酷無情の殺人狂サリオン皇子すら、改革への熱い思いを秘めた、なんかイイヤツになっていました。
今までは、デザインと雰囲気と脱力系ギャグを楽しんでいましたが、ストーリーの展開(キャラクタの成長)の方が楽しみになってきたことだなあ。楽しみだなあ。
しばらく連載、止まるんだろうなー