『男たちの大和』

 ス、スプラッター注意…(口の端からゲ○をはみ出させながら)
 初日、朝イチで観に行った者に対して、なんたる仕打ち…
 ってちょっと考えれば分かりますよね……ネタ的に……(遠い目)
 戦闘シーンは文句なしに見応えがありました。げふう。
 中村獅堂がむちゃくちゃ格好良かった。このガラ悪い頼りがいのある眼帯アニキが別の映画では「でやんす」とか言っちゃうのでしょうか。
 気になる巨大戦艦大和の存在感の再現度もかなりなものだと思いました。
 少年兵たちが着任する時に、大和を見上げて「大きいなあ、山のようじゃあ」「俺たちあれに乗るんか」と目をキラキラさせている所で、同じ目で大和を見ることができたと思います。ごたごたとうずたかくそびえる艦橋とか、陽光を遮る巨大な主砲とか、えがった。
 やっぱ、国家予算の3%をつぎ込んで作った巨大建造物はひと目見たいと思います。実物を見ることは不可能だから、映画のスクリーンで疑似体験させてもらえて良かった。もっと長い時間「すげえなあ」と大和を見上げていたかったなあ。模型や写真では得難い感覚ですからして。(ですが、血とフレッシュミートまみれでぬとぬとな機銃にとりつき、今日絶対俺は死ぬという確信、いや実感を胸に泣きながら雲霞のごとく押し寄せる敵機に向けて撃ちまくる疑似体験はごめんこうむりたかったです。)
 ドラマパートは、やや散漫でまったりしすぎている印象を受けました。
 前の席に少年兵たちと同年配とおぼしき男の子グループがいましたが、ドラマパートで明らかに退屈しておったぞ。
 ネタがネタだけに、どのエピソードも涙腺を直撃する重〜いパンチでした。泣いたデス。ですが、個々の泣きパンチがあんまり連携してないと言うか。なんか戦艦萌え〜!って涙が止まっちゃう瞬間があって?泣きやむ前に次の泣きパンチをかまして、そのまま立ち直らせずにクライマックスまで持ってく勢い、ではなかったと思います。


 すぐに年齢計算をはじめてしまう悪い癖があります。
 大和沈没地点に行きたがっている謎の美女(鈴木京香)は、大和とどういう関係で、一体いくつの設定なんだろうかと、途中で気になって仕方がありませんでした。
 現代パートに登場する仲代達矢は、当時16歳の少年兵。76歳ってことですね。それはいい。
 鈴木京香が戦没者の娘なら、60歳は堅いはずです。生還者の娘なら40歳ぐらいでもありえるかなあ。元乗組員が老境に入ってから孫のような妻をもらった…なんてセンはどうだろうか。意表をついて全く関係のないタダの軍ヲタだったら…どうしよう。
 などと、無駄にハラハラしてしまいました。てへり。


 勘違いして焦ったところ。
 伊藤整一艦隊司令官(渡哲也)が、沈没寸前に「君たちも良くやってくれた」と幕僚を労います。窓の外には黒煙と我が物顔で飛び回り死を振りまく敵機の群れ。見下ろせば死屍累々の甲板。涙をこらえる幕僚たち。観客も涙ぐみます。
 そして、「じゃ!」とドアを開けてサッと出て行っちゃう渡哲也。
 司令官どこ行くのー!!!Σ(´Д`;)とあわてた。
 この後もうワンカットあった方がいいように思えました。