『黒い仏』--いいのかなあ…

黒い仏 (講談社ノベルス)
 神話関連作品だと耳にしたので…。
 なるほど、参考文献にラヴクラフト全集が載ってる。
 年齢不詳・長身・色黒の威厳ある坊さんとか、三重冠を頂いた顔のない黒い仏像とか、おおおおお!?って感じ。お坊さんが口にするのが一見お経のようで、よく見るとラヴクラフト作品でおなじみのフレーズだったりして、胸が高鳴ります。なじみ深い定番訳の名フレーズも好きですが、漢文(風?)も趣深いと思いました。期待が高まります。
 が、後半は期待はずれだったかも…。
 神話関連作品をたどっていくと、普段手を出さないジャンル作品にも触れることができて勉強になるなあ!と読み進めたのですが…どうなのでしょう、このジャンルは良く知りませんが、でもこれは違うのではないか。ないか。世の中には知らない方がいい事もある、という路線で見れば正しいエンディングなのかも知れませんが。でもミステリじゃない…と思う…。