『スクライド』

 最近、オエビに載せてるのが他ジャンルばっかりですが。
 大祭においてメンタル面でも実務面でもばっちりサポートしてくれた悪友にお礼をしているところなのです。カラダで。
 ふだん、なじみのジャンルで妄想に妄想を重ねた自己流解釈に自己流絵でイキオイで描きちらしているので、原典をちゃんと見て似せて描くのはとても新鮮です。めっちゃ楽しいです。どのくらい成功しているかは置いとくとして。


 ああ、しかしスクライドおもしろいですよ!めちゃくちゃおもしろいですよ!
 格好つけすぎて滑ってるみたいに思えた次回予告のBGMとナレーションが、最後もうアレがたまらなく格好良く思えて血湧き肉躍るって感じ。あれ見ちゃうと次の回も続けて見ちゃうので危険。超危険。
 はじめ、作画が良くて「おお!?」とかじりついて見てました。いちまい絵が、と言うよりモーションにしびれました。腰の入ったパンチとか!フレームの切り取り具合とか。
 次に、敵キャラが面白くなって一生懸命見ちゃいました。マッド・スクリプトとか。スーパーピンチーとか。後半出てくる常夏三姉妹にも笑わせてもらいました。ああ、あーゆーのたまらん。予備知識抜きでリアルタイムで見たかった。
 その後はいわゆる「バディもの」のツボをばっちり押さえてくるので目が離せなくなった。いっけん仲が悪そうだけど深〜く信頼し合ってるとか。仲良しよりもクるよなあ、と何か倒錯した趣味に目覚めそうでした。
 終盤はクーガーと無常矜持を楽しみに見ていたような気がします。
 他の作品のキャラに例えるのはどうかと思いますが、クーガーは格好良さが一回りしててお笑いに墜ちているのに、最後の最後でほにゃらら、というあたりが逆転裁判のゴドーを思い出しました。陰徳。と書くと意味が変わっちゃうのかな…(辞書を引く)あっ、あっ、仏教由来の方ね。えろい方じゃなくてね!(狼狽)えっと、要するに誰も見ていない所でカッコイイ人ってカッコイイよね(←日本人的でしょうか)
 今年はゴドーにはじまりクーガーに終わる、いい年だったと思います。
 無常矜持は、とその前に。
 ジグマール隊長を見て東方不敗を思い出したのであります。
 若さ故に近視眼的な主人公と、主人公が想像もしないオトナの理由で敵対しますが、それまでの人間関係を引きずってラストバトルに臨み視聴者の情緒を強く刺激します。先生を超える喜びと悲しみ、弟子に追い越される悔しさと良くやったという気持ち、こういう心理は儒教の洗礼を受けた文化に特有な物だとチラと聞いたのですが、本当でしょうか。本当かどうかは知りませんが、Gガンダムでもスクライドでもわたしは泣きました。脱線しますが、スクライドでは次の回も凶悪に泣かせに入ってて参りました。シェリスのあたりはグッとこらえたのですが、カズマの台詞で決壊しました。一撃めはみんな予想して構えてるからって、二段構えで防御を粉砕する小憎らしい脚本だと思います。
 で、無常矜持はウォン首相に似てるんじゃないかなーと思ったのです。
 俺様最強!というファンタジーの中にだけ生きていて、人との関わりが希薄なあたりとか。俺様最強伝説を揺るがす人に無条件に憎悪を抱くぐらいで、あとは人間の好き嫌いはなさそう。てか使える/使えない視点しかなさそう。超なさそう。愛とか友情とか存在すら知らないんじゃないか。どう育てばあんな人になるのかとちょっと可哀想に思いましたが、ハ虫類顔を見ていると9割方生まれつきの素質かも?という気になってきます。
 人間関係が希薄な分、主人公サイドと情緒面での因縁が薄まりバトルでのカタルシス少な目のあっさり風味になるあたりも似ているような気がします。戦闘って、苦戦度×情緒量で盛り上がりが決まると(勝手に)思うのです。無常矜持は主人公側の主要キャラを倒したり人質をとるなどをして因縁度を高める努力をしてましたが、それでもジグマール隊長に遙かに及ばず、情緒量でビフ君にすら負けてたみたいな気がする。つか、相手がカズマだったせいか?バトル中の会話がほとんどかみ合ってなかったみたいな…思い返せばカズマのかっちょいい台詞ばかりが印象に。
 哀れなり無常矜持。合掌。