『ディープ・ブルー』--後からじわーっと。

 「誰も見たことのない世界を見せてあげよう」のコピーの映画です。*1
 見たことないもの、現実には滅多に見られないものが見たくて映画館に足を運ぶ訳ですから、そのようなコピーを聞かされては出かけるしかありません。ついでに言うと、滅多に見られないものと言っても、愛だとか真実だとか、そういう地味抽象的なものは別にいいです。スクリーン上に期待するのは火薬にCGかなー、やっぱり。
 でもこの映画は、火薬もCGも一切抜きで、素の映像のみで魅せてくれるという!!やっぱ見なくちゃだわ。
 映画本体は、まったりと大海原と海の生き物たちを見せてくれて、ときどき眠くなり、ラストで唐突に説教されるので腹が立って目が覚めた、そんな感じでしたが、帰ってきて公式HPのプロダクション・ノートを見てぞーっとしました。
 夜の海でサメうようよのシーンがあって、これはどうやって撮ったのかなあ、カメラだけ海に沈めたのかなあ、と思っていたのですが、


 正解→人間がカメラ片手にがんばって撮った。


 撮影風景を想像して全身鳥肌です。むしろタネもシカケもあってくれた方が怖くなかった。ペンギンを撮ったときのメカ(?)はどうしたんだ。
 あと、シャチが波打ち際にどばーっと乗り上げてアシカを襲う、シャチの群れが鯨の母子を襲うなどのバイオレンスな場面もあって、そっちは望遠使ってる感じはあったのですが、でもやっぱり人間がカメラ片手にがんばって撮ったと言う。
 誰か命を落としたとかケガをしたとかは聞いていないので、カメラマンさんは無事だったと思うのですが、でもやっぱり初代ゴジラの東京タワー倒壊の場面を思い出してぞくぞくします。
 「いま右手を塔にかけました…ものすごい力!…さようならみなさん、さようなら…」


 アホウドリの群れ、カニの群れ、サメの群れ、クラゲの群れ、ペンギンの群れ、…
 同じのが画面いっぱいにうじゃっといて、一斉に動くのは、キますね。マスゲームみたいにピタリとあっていなくて微妙にランダムな所が、きもちいいときもちわるいの狭間の絶妙な戦慄を感じました。
 あと、ホッキョクグマの犬かきに我が目を疑いました。


 ディープ・ブルーHP
 メイキング映像はぜひご覧下され。

*1:はてなのキーワードリンクをクリックすると、知能を持ったサメが大暴れする映画も出てくると思いますが、そっちじゃないです。