『ヴァン・ヘルシング』--かほりたかきB級の、

 時間の都合で吹き替え版を見たのでした。なんだか悔しいです。
 ヴァン・ヘルシング山路和弘、アナ王女=三石琴乃、ドラキュラ伯爵=大塚芳忠、でしょうか? で、ドラキュラ3人娘のうち一人が宮迫博之…?


 久々に基本が出来てない映画を観たように思います(喜)
 娯楽映画のストーリーにだって、それなりの整合性か、さもなければ有無を言わせぬ勢いか感情的吸引力があらまほしきものですが、どれもなかった気が気が気が……
 撮りたい絵が先にあって、それを適当に繋げただけだろう、と突っこみたくなるような散漫で唐突なストーリー展開で…その上、もしかしたら主要な登場人物の何人かのIQはあまり高くないのではないかと、特に戦闘場面で心配になるような感じでででで……
 キャラクタの相関関係は定番をおさえているのですが、ぜんたいに舌っ足らずで薄っぺらに思えてしまい、いまいち感情移入できなかったかもかもかも………重大な謎がそのまんま投げっぱなしなのよりこちらの方が気になりなりなり………
 ところが、最大瞬間風速的に、うぉ!この絵はすげぇ!と素直に思える場面が出てくるので油断がなりません。男性陣がツラガマエだけじゃなく、こう、カラダもイイ感じでねえ…(照)。CG部分も気合い入ってて。音楽も荘厳でえがった。たとえば「デイ・アフター・トゥモロー」(id:wang2zhonghua:20046026)のDVDはピクリとも購入欲が刺激されないのですが、こっちはDVDが出たら買ってしまうかもしれない。そんな感じ。
 結果、2時間13分の間この映画への「好き」度は激しく乱高下し、その振幅ゆえになにやら心が大仕事をしたように感じられ、もしかしたら自分はとても感動したのではないだろうか、と思いながら映画館を後にしました。


 真剣に落胆したのは、あんなにエロかっこいいアナ王女が弱かったことです。
 3Dガンシューティング系、1Pヴァン・ヘルシング(ボウガン/二丁拳銃)2Pアナ王女(剣/ムチ)みたいなのを期待していたのにぃぃぃぃ。
 状況判断も悪いし戦闘力も皆無に等しく、なのにクソ度胸だけはあるので(加えてターゲットになりやすい事情があるし)乱戦を招きやすく、よって派手な見せ場(ただしもみ合い系)が多くなるので、B級アクション映画のヒロインとしてはぴったりなタイプなのかも知れません(涙)
 個人的には、ほぼ予想通りですが、ドラキュラ伯爵がヒットでした!気障でチキンでピンチは自業自得と三拍子そろった理想のへっぽこ悪役です…orz 取り巻きのドラキュリーナ3人も馬鹿っぽくて愉快でした。泣き女かと思ったヨ。だんだん数が減っていくのがさみしく思える悪役は久しぶりでした。
 同行者は、猫背で変な声のファラミア(カール修道士)にグッときたようです。



 あと、勝手な妄想。
 アナ王女の一族がドラキュラを倒さないと成仏できないってアレ、あれはヴァチカンがかけた呪い。ってことはないだろうか?
 記憶喪失からこっち、いまいち天国とか信じる気持ちになれなかったヴァン・ヘルシングが、天国の存在を信じるようになるまでの話。かと思えばそれなりに感動的かも知れないと思った。