『世界の中心で愛を叫んだけもの』 --暴力保存の法則?

 押入れの奥から発掘してきました。
 どうやら、前回読んだ時に思いっきり勘違いしていたような………。
 人間から暴力を切り離すことはできない(難しい)という主張。
 もしも(暴力と無縁な)天国が実在するならば、その外側には天国から破棄された暴力に満ちているに違いない、という暴力保存の法則とでも言うようなテーマ。
 その前提の上で、この世が地獄であることを肯定すること、すなわち天国の存在を信じることになる、という暴力肯定?的な話かと思っていました。自分なら、天国の欺瞞を指摘するか、天国の実在を願うならこの世が地獄であることを受け入れねばならない、という諦念?に焦点をあてるような気がするなあ、ハーラン・エリスンは分かんないなあ。と思いっきり勘違いしていたようです………大量殺人者の顔をした像は、暴力礼賛じゃなくて被害者を悼むためのものだったのですね。ウィリアム・スタログの最後のセリフは狂人の「暴力=愛」という狂った信念ではなくて、センフのセリフだったのですね。エリスン様ごめんなさい。
 敗因は……ライナとセンフをごっちゃにしていたからかなあ………。
 メモ↓
 ライナ:代訴官への昇進をもくろんでいる <検察官、政治家志望?>
 センフ:排出法の発見者<科学者> 身を挺して「排出」を止めようとした