『殺し屋1』 山本英夫

殺し屋1 第1巻 (ヤングサンデーコミックス)
 もうずいぶん前に最終巻を読み終えたのですが。なかなか感想書く気になれませんでしたよ…orz
 後半の、先の読めない、というよりはこの先何が起こっても不思議じゃない感というか、読んでいてテンポが狂う感覚の理由が、しばらく考えてようやく分かった…ような気がする…?
 作者は、独自の価値観で物語を組み立てていた…んじゃないかな…なのに私は少年漫画的バトルシーンの「お作法」に従って予測をしながら読んでいた訳で。そのズレがテンポ狂う感じ(=期待したポイントで情動の盛り上がりが来ない)と感じられたんじゃないかなあ、などと言ってみる。鳩はなかろうよ。

 強いて少年マンガ的な解釈をしてみるなら?
 本来強さ弱さってのは物理的な条件のみで決まるのです。きっと。
 しかし、読む人の心を揺さぶる物語として「ある」ためには「強さ」に情動的な理由付けが必要であって。例えばポケモンへの愛情と理解の深さであったり、しょってる因縁の深さであったり、挫折や努力の量であったりする訳ですが。
 この作品においては、変態度が高い方が強いという法則があったみたいな気がしないでもない(自信のなさそうな小さい声で) 垣原組長が凶悪双子を従えている構図、主人公が究極の変態かつ最強と位置づけられているあたりからそう思ったのですが………終盤、どのキャラも興奮して瞳孔が開いてて、大ゴマアップ瞳孔散大コンボの生理的恐怖感を思い出すと、こんな考察しても虚しいなあ、と思います。

 こんな桁違いにすごいマンガ、はじめて読んだよ…