『世界侵略:ロサンゼルス決戦』
映画というものは総合芸術であり人間を描くのが本道で、戦闘シーンなどはスパイスみたいなもので主食にはなり得ないもの、それは承知しております。
でも人間とかどうでもいいから宇宙人とか派手な戦闘シーンだけずーっと見ていたいなあ、だってせっかくの大画面だし。
でも口に出すと馬鹿だと思われちゃうから黙ってよう。
そんな欲望に馬鹿正直に応えてくれる映画が来ましたよ!
タイトルからして自分の欠点あるいは偏った性癖をとりつくろう気はまったくなし。
清々しい。天晴れなり。
半年間、待ちこがれました。
本来であれば4月1日公開の予定だったのです。
そうでなければこんな映画、今頃はBD+DVDセットが3990円ぐらいで発売になっていて、私はそれを買って、来年あたりコンビニで1480円で売られているのを見つけてショックを受けただろう。
と言うのも『第9地区』の値崩れ具合はひどくないですか!?
私の中では昨年度ベストムービーなんですが…
この映画が『インデペンデンス・デイ』と『宇宙戦争』のどちらに似てるかと言えば、前者に似ていると思います。
手堅くして、地上戦をメインにして、「悲哀」をまぶして、手持ちカメラで被写体近めで臨場感を出してみた、みたいな感じでしょうか。
とにかく手持ちカメラのグラグラ画面にはご注意を。
張り切りすぎて前列に陣取って、酔って後悔しました。
監督はヨハネスブルグ出身の35歳(撮影当時)。
『ブラックホーク・ダウン』と『エイリアン2』を足して2で割ったような映画が作りたかったそうです。
つまり宇宙人と激しい撃ち合いをしたかったのですね。
その結果、宇宙人側の科学力というか軍事力がそれほど隔絶していない印象を受けてしまいました。宇宙から侵略して来たやつらがこんな泥臭い白兵戦しかできないのか、宇宙人=超科学力の夢を返して欲しいっ
(もしかしたら現実の米軍の方が侵攻の手際がいいのでは…)
はじめは「海兵隊が死にものぐるいで戦えばなんとかなるぞ!」という喜びがあったのですが、だんだん宇宙人側の被害がこんなに大きくて作戦として成立するのかとかそっちが心配になってきます。
味方兵士の「兵士は消耗品なんですか?」というセリフを、宇宙人側の兵士が言ってもおかしくなかった。
いまごろ本星では内閣総辞職になってやしないだろうか?
などとけちをつけてますが、上映中はドンパチをおなかいっぱい楽しみました。
主人公の職業「二等軍曹」が世界で一番カッコイイ職業に思えてくるんです。
だんだん「No retreat !(退却NO)」と一緒に唱えてしまいそうになります。
『アバター』で死んじゃってかわいそうだったミシェル・ロドリゲス、が演じる空軍女子が調子に乗って、じゃない、兵士らしくなってくる(一人称はぜったい「俺」に違いない)のがかわいく見えてくるから不思議。
初登場時に「この美貌で今の地位を勝ち取った訳ではありませんっ」と言った時は唖然としましたが。
だんだんかわいく見えてくるんですよー
小柄な女性なのにキモが座ってて手練れなのが萌えるんじゃよー