『300』
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つねひごろ映画選びの参考にさせて頂いている敬愛するブロガーさんたちが、片っ端からメーターが振り切れている様子なので、観に行きました。
でも、ブログを読んでもイマイチどんな映画か分かりません。珍しいことです。
とにかくツボつかれまくりで、メーターが振り切れてしまっているのだけは分かりました。
映画館に行きました。
はじめてビジュアル面での手がかりを--ポスターを--見ました。
なんか「見せ物」っぽいなあと思いました。
チケットを買って席に着きました。
隣は初老のご夫婦でした。
旦那さんが、奥さんのために、映画館のチラシの小さい字を苦労して読み上げていました。
「ええと…スパルタ戦士300人が、100万のペルシア軍と戦う…300vs100万…」
「歴史のお話なのね?」
「そうみたいだね」
歴史の話なのか。
それよりも、このご夫婦はどうしてこの映画を選んだのだろう。
内容も知らないのに?
首をかしげているうちに映画がはじまりました。
かかか格好良い…!
色調は沈んだトーンに調整され、スパルタ戦士のマントの赤が強調されています。
逆光が多用され、CG処理された空は常に光と雲で劇的に彩られ、そう、つねに大きな異変を予感させるような空で。
屋外でも屋内でも強い風が吹いているらしくて、人物の内面の激情を表すかのように、女の長い髪と戦士の赤いマントがいつもイイ感じになびいています。
マトリックス方式、と言うのでしょうか?
一つのアクションで、スローモーションとほとんど静止した状態と通常速度とを複雑に組み合わせて、キメポーズをじっくり見せるのとアクションの流れを楽しませるのを両立させ、なおかつ映像が流れる速度の変化がぜんたいとしてダンスのような美しさを感じさせさせ…
「いまの美しい形を忘れないように紙に描き写したい」となんど思ったことか。
(まあ実際は画力が追いつかず不可能なわけですけれども)
あとからパンフを見て分かりました。
もとがアメコミ作品だったのですね↓
300(スリーハンドレッド) (Shopro world comics)
- 作者: フランクミラー,関川哲夫
- 出版社/メーカー: 小学館プロダクション
- 発売日: 2007/05/18
- メディア: 単行本
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プレミアついてるし。
映画タイアップで翻訳されたアメコミ系はいつもそうだ。もっと刷ってほしいと思います。
あと、スパルタ戦士は「攻め」「守り」の2相があるのが格好良いですね。
ダンスのように切り結んだかと思うと(攻め)、盾を前面に構える(守り)、この2相の対比が劇的で、しかも軍隊が一斉に相を変えるから、
格好良すぎる。
もう一回映画館で観たいなー…
対するペルシア軍は……面白すぎました。
「格好良い映画」ですから、笑っていいものかどうか、ちょっと迷いました。
ペルシア王と親衛隊のペルシアン仮面忍者軍団は笑っても良かったのでしょうか。
ネオケニア代表ゼブラガンダムみたいなのが一瞬画面に大写しになった時は、クスッとなってしまいました。でも、周りの人は笑ってなかったので、恥ずかしかった。
あと、こういう事を言うのは野暮なのかも知れませんが。
スパルタ戦士たちはご飯はどうしたのでしょうか。
盾と槍と剣、勇敢で賢い王とこの身にたたき込まれたスパルタの戦法、これだけあれば戦場で困らない。
余分なものは何もいらない。
と言わんばかりの赤いマントの下はパンツ一丁の行軍の絵は、絵としてはとても格好良いものですが。
過酷な有酸素運動を長時間行うには、生理的にカロリーを補給せねばならないと思うのですが。
野暮ですね。
やめましょう。
アメリカ映画を観ていて思うのは、戦う理由に必ず「自由のために!」が入ってくる事です。
『アレクサンダー』でも言ってた。『キングダム・オブ・ヘブン』でもたぶん言ってた。←言ってませんでした。
歴史考証的にどうなのかはわたしには判断がつきませんが、日本の作品ではあまり見ないキーワードだと思います。
きんねんの中国系大作映画でもあまり聞かなかったような気がします?