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『くう・ねる・のぐそ 自然に「愛」のお返しを』--彼を駆り立てるものは何か

くう・ねる・のぐそ―自然に「愛」のお返しを

くう・ねる・のぐそ―自然に「愛」のお返しを

 ウ○コ話なのでご注意下さい。



















 かねがねナンバーワンよりもオンリーワンを応援したいと思っていました。


 今日、目がくらむほどのオンリーワンの人を知りました。


 筆者は、元自然写真家。
 え、そんなカッコイイ職業なのに、「元」なの?
 今の肩書きは「糞土師」(…ふんどし、って読むのでしょうね………)


 プロフィールによれば、
 野糞歴35年、他人に目撃されるリスク、クマやヘビ、昆虫、ヒルに襲われるリスクを背負って己のウンコを大地に返すこと1万回以上、21世紀になってから大でトイレを使ったことがないと豪語する猛者です。


 現代社会への大いなる異議申し立て、なんですよね…
(編集者は「野糞にとち狂った変人のいとなみを通じて、子供が学校でウンコもできないような、清潔病に蝕まれた現代社会を批判したいと考えたようだ。」)


 井沢氏は、もちろんタダの変態などではなくて、はじめキノコ写真家として身をたて(キノコ写真家としてナンバーワンの地位を得た)、その過程で自然の分解・浄化サイクルについて深く考えに考え、

 ヒトのウンコはもとはと言えば、肉魚、野菜穀物を問わず、すべて命ある生き物だった。それが体内の消化器官を通過してウンコとなったわけだが、ヒトが消化吸収できる栄養素はかぎられている。そのようなヒトのウンコは他の動植物や菌類にとっては、まだまだ栄養たっぷりのご馳走だ。生きるために多くの命を食べている私たちは、せめて自分にとって不要になったウンコぐらい、他の生きもののために土に還すのが当然の責任ではないか。ふだんの生活で、ヒトが自然に返せるものといったら、ウンコ以外にはないのだから。

 との結論に至ったようです。
 捨てればゴミ、活かせば資源、ということでしょうか。


 この本は、糞土師の自伝であり、詳細な野糞マニュアルであり、ウンコが分解され自然に還るまでの研究本であり、熱い伝導の書です。


 自伝部分ですが、申し訳ないのですがいつどこで今日の大を済ますか(もちろん野糞)と、自然に優しいスタイル確立の試行錯誤の合間に仕事をしておられるように見えてしまう…(汗


 いったい何が彼をこれほどまでに駆り立てるのであろうか。


 後半に載っている「掘り返し研究」は、野糞が自然に還る過程を調査した貴重な研究ですが、、、味まで書いてあるよ、、、、、、、、、、、、


 いったい何が、彼を、これほどまでに。


 後半部は、野糞伝導の奮闘記となっていますが…


 見ようによっては、


 他人と野糞を話題にできる→講演会で野糞について語れる→生ウンコ写真をスライド上映できる→


 と世間のタブーに挑戦しているようにも見えます。


 いったい彼は何と戦っているのでしょうか…。



 ただ受動的に文章を読むのではなく、
 ページを繰るごとに自然と想像力や空想が広がる、知的刺激満載の一冊です。


 本はとてもかわいらしい装丁です。


 巻末には袋とじがついています。
 中には、野糞跡掘り返し調査の写真が掲載されています。
 とうぜん生ウンコ写真な訳だ。
 ページ下部には危険度の目安となる記号つき。
 下からちらりとめくって、記号を見て開くかどうか決められる配慮なのでしょうね。
 袋とじで形式は著者のジャスティスと編集者の良識?のギリギリの妥協らしいです。


 制作者に愛されている?本だと思います。


 良い本を通じて熱い人生に出会った喜びをかみしめていますが、袋とじは、まだ開けていません。