『原子怪獣あらわる!―GODZILLA誕生の秘密と日本特撮ソフトの未来』
原子怪獣あらわる!―GODZILLA誕生の秘密と日本特撮ソフトの未来
- 作者: ナイトストーカーズ
- 出版社/メーカー: フットワーク出版
- 発売日: 1998/07
- メディア: 単行本
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エメリッヒ先生の『GODZILLA』発表当時の研究本です。
ゴジラハリウッドリメイク企画から、エメリッヒ先生登板までのいきさつが書かれていて興味深い。
著者氏は『GODZILLA』を読み解くキーワードとして「リヴァイアサン」を強調します。
世界が終わる時にはサタンの使い、あるいは直接的にサタンの化身とされる巨大獣リヴァイアサンがやってくる、そのイメージが盛り込まれた作品であると。
海から来る、泳ぎが上手い、足が速い、などのイメージはリヴァイアサン由来だと主張します。
冒頭でマヤの予言が〜と言って(ムー読者をワクワクさせて)おきながら結局は聖書モチーフだった『2012』を思い返すと、我らがエメリッヒ先生も人の子、聖書バックボーンな西洋人だしあり得るかもなあ、と思います。
確かに『GODZILLA』には(私が作品に期待した)神あるいは自然の怒り、人類への傲慢への罰、という要素はあまり感じません。
スッパリ善悪二元論の発想で、人類に破局をもたらすのは悪魔の化身だからがんばって撃退しよう、そういう映画なのだと考えれば何も矛盾はありません。
そうだ、『ID4』もそんな感じでしたっけ。
のですが、他にリヴァイアサン神話系譜の作品の例としてドラゴンボールとエヴァンゲリオンが挙がっているのを見ると、ちょっと首をかしげたい気持ちに?
西洋の作品にリヴァイアサンの要素がふんだんにある、それは十分にあり得る話だとは思います。
が、日本での作品ではどうでしょう。今までリヴァイアサンに気をつけて見たことがなかったから気がつかなかったのかなあ。