『エディット・ピアフ 愛の賛歌』
- 出版社/メーカー: 東宝
- 発売日: 2008/02/22
- メディア: DVD
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間奏のピアノが情感たっぷりに盛り上がって行くのとシンクロしてテンションが上がっていくリング上と観客--けたたましく鳴り響くゴング、重く響くパンチの応酬、観客のコールに野次、エキサイトしてギャンギャン実況するアナウンサー*1、予想外の展開への、観客たちのどよめき。
ピアフは、ピアフは、挙動不審です。
猫背で、変な眉で、変な表情で、ガラガラ声で「ぶっ殺せ!」と喚声を送ります。
ピアフはボクシングのルールを分かってないに違いない。
英語も十分には聴き取れていないに違いない。
決定的な瞬間に、熱狂し思わず立ち上がる観客の渦のなかで、説明を求めてキョロキョロしている。
ピアフ浮いてるよピアフ。
その姿は、…ネズミ系だと思います。
そしてデジャブ。
………ああ、指輪物語!指輪物語に出てたろみたいな!ス…、スメアなんとか!?
なのに、ある瞬間、ピアフがすっごく可愛く見えるから参る。
この後の『愛の賛歌』にかけては、この映画の白眉だと思います。
でも、ピアフの歌のPVとあえて解釈して、そこだけ切り出して見てまとまっていると思えるのは、『私の神様』だと思いました。
なんど見たことか。
*1:ここには字幕はついていませんが、英語の分かる人々にはアナウンサーの実況も言語情報になるのでしょうが--自分の英語力の貧弱さを棚に上げて、英語の分からないピアフと似た立場で試合を観戦できて良かったと思いましょうとも