『戦中派不戦日記』

新装版 戦中派不戦日記 (講談社文庫)

新装版 戦中派不戦日記 (講談社文庫)

 『あと千回の晩飯』が面白かったので。
 8月の声を聞くと、太平洋戦争モノが読みたくなる。
 刷り込みだと思います。
 イメージの中の太平洋戦争は、なんだか夏っぽい。
 戦争は1年中やっていたはずなのに。
 この本を読んでいて気がついたのですが、昭和20年と今年は曜日が同じだ。タイプスリップしたみたいで気持ち悪い。
 とか言いながら、近い日付のところをちょっとづつ読んでいます。


 本当にこれ、ノーエディットなのでしょうか。
 面白いです。不謹慎ですが。
 毎日書いてます。何日かに一度どばっとたくさん書いていて、読み応えたっぷりです。
 2月3月は、山田風太郎青年は医学部1年の進級試験でてんてこ舞いしています。
 「先生!空襲があっても試験はやりますか?」
 「B29の1機ぐらいだったら決行する!」
 「工エエェェ(´д`)ェェエエ工」
 なんて会話が随所に出てきます。
 彼は数学が苦手だったそうです。
 数学の試験が空襲で「つぶれた」ら、全員無試験で合格の措置をとるとの言質をとり、空襲を心待ちにする風太郎青年。おいおい。
 東京大空襲の日、大学は空襲圏外だったとはいえ、まさか試験はやってないだろうと思いながらも、混乱の中を遅れて登校したら、試験をやっていて驚いた、とか。
 ちょっぴり不謹慎でヒステリックな笑いという点で、上の本より上だと思います。