『斬魔大聖デモンベイン―ド・マリニーの時計』
斬魔大聖デモンベイン―ド・マリニーの時計 (角川スニーカー文庫)
- 作者: 古橋秀之,Niθ,鋼屋ジン
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2006/12
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 23回
- この商品を含むブログ (64件) を見る
全編にドクター・ウェストが濃厚に関わっていました。
わたしがデモンベインで最も許せない点は、ハーバート・ウェストが細面の金髪メガネでなくなった点かも知れません!
でも、もうこのウェストでいいや。
最高潮にくだらな面白かったです。
あー、あと、デモベ版シュリュズベリィ博士が突き抜けて格好良かったと思います。
老賢者(厳)と大将軍(厳)の風格を兼ね備え、なおかつ保護者属性(甘)も持ち合わせた万能キャラに思えました。もちろん個人的戦闘力は無敵クラス。
欠点は、パートナーがロリ以外には思いつきません。
紙一重天才ドクター・ウェストとシュリュズベリィ博士の相性ばっちりなのがまた笑えます。
この二人の掛け合いをもっと見たい。
そもそもラヴクラフトとその弟子たちの作品には将たる器を持ったキャラクターというものはほとんど登場しない訳で、まあ、すぐれた人間のありようを楽しむ作品じゃないからねえ的な。どちらかというと人間の矮小さが強調されてしまう訳で。数少ない例外は、強いて言えばラヴクラフトの「未知なるカダスを夢に求めて」の猫軍団の老猫将軍かな…(て猫…?)
ダーレスが書いたもともとのシュリュズベリィ博士だって、将たる器とは違うように思えました。目的と行いは立派でしたが、陰気で、無知な若者を「すまぬ」と言いながら巻き込む男だった。本当にすまないと思ってるなら、最初から巻き込まないように気をつけて下さいよ的な。
デモベ版シュリュズベリィ博士は彼らしく雄々しく立つだけでクトゥルー的世界観を揺るがす存在ではないでしょうか。
グラグラしました。
熱のせいだけでなく。