映画「夜明け前のうた 消された沖縄の障害者」

 

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 ドキュメンタリー映画「夜明け前のうた」について考えてる。

 沖縄では悪名高き「私宅監置」が1972年まで行われていたそうです。

 そんなことぜんぜん知りませんでした。たぶん本土復帰まで法改正されず運用されてたってことでしょうけど…教科書に載るような歴史的愚行が、ついこの間、自分がこの世に生まれた後も行われていた、その驚きが初期衝動なのでしょう。

 古い写真の監置小屋、そこにいた人を特定してほぼ生涯を追い切った(21世紀までご存命であった)のは鳥肌が立ちました。教科書の、文献の記述が、目の前に生きた人間として立ち現れる。

 ただ、見てる途中でわたしは別のことが知りたくなっちゃって。そこが描かれてないから「舌ったらず」に思えちゃったんだよね…ごめん…

 「知りたかった別のこと」とは。

 本土復帰後に「藤さん」を監置小屋から助け出した人がいるはずなんですよ。

 「藤さん」は精神病院に移され、年をとってからは生まれた島の老人施設に移ってそこで生涯を終えた。「一生病院」にも問題点があります。がその是非は今は置いておくとして。

 「藤さん」を監置小屋から出して、精神病院(野ざらしじゃないし清潔とご飯は保証される、看護人もいる、一人じゃない)に移した人は誰だったんだろう。熱心な島の保健師か、若い精神科医か。そこにローカルなヒーローがいたはず。法改正を進めて精神病院を作った力、そこにも目立たないけどヒーローがいたはず。

 自分で調べろってかー。そうですね…

 途中、私宅監置されてた人の子孫を探し出して訪ね、島を訪れてもらうシーンがありました。見てる間はやや「滑ってる」印象を受けましたが…あー、藤さんの下りに感じたような、文献の記述が「生きた人間」だったと実感されるシーンを作りたかったのか…

 ドキュメンタリーにその演出いる???と思ってた部分も、その効果を狙っていたのか!?なるほど…わたしが気にする歴史的な流れよりも、より身体的な、当事者にシンクロさせる作りだったのかも…?

 も一回見たいな。物理ディスク発売されないかな。

  この本を注文しました。

 チラッと、沖縄では精神病の有病率が高いって話題があって。

 もしかしたら沖縄戦のトラウマが関係してるんじゃ?って話がちょっと出て。詳しく知りたくなりました。