ヤコブス・デ・ウォラギネ「黄金伝説」
- 作者: ヤコブス・デ・ウォラギネ,前田敬作,西井武
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2006/08/12
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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FGOでひょろっとルーラーマルタが引けたので、ちょっと勉強してみようかと。
夕べ、眠れずに聖マルタと悪竜タラスクのことを考えていました。超展開でなんじゃこりゃ感のあるお話なので詳しく知りたいのですが、ネット上にあるのは圧倒的にFate FF ペルソナ関連なんだ。
検索をしていくと、フランスの南部の地方都市タラスコン、ノーヴのタラスク、あたりで行き詰まっちゃうの。マルタはエルサレムの近所出身で、イエスの死後に仲間とともにフランスの地中海に面した港町に来て、隣町?のタラスコンの悪竜を退治したそうな。義経北行伝説みたいな感じ?なの?
マルタはキリストと同時代人で、新約に登場しています。(弟は超有名なラザロ)
悪竜退治の話は、13世紀の聖人の本が初出のよう。
これは別の伝説、おそらくはケルトの話が混じってんじゃないかなあ? それとも中東発の別宗教をキリスト教団が駆逐した話とか?
うーん、悪竜の名前がついた都市か…なかなかないセンスだと思います。
古くは信奉する神の名=教団名=都市名だったのかなあ?どうだろう。
(東京の蒲田も1000年ぐらい後には「地名の由来は怪獣の名前」とかなってそうですが)
その辺も含めて、ヤコブス・デ・ウォラギネの「黄金伝説」が見てみたい。
聖ゲオルギウスとその他竜関係の話が載ってそうな2巻が絶版…なのかな…プレミアついててめっちゃ高い。みんな欲しい巻はいっしょだな…
あきらめきれなくて大きめの本屋に行ったら、「黄金伝説」が1巻だけ置いてありました。見たいのは2巻なんだけどな…「当時、聖書に次ぐベストセラーだった!(でもまだ印刷技術が発明されてないから手で書き写してた)」とオビであおってて、ちょっと欲しくなったけどがまん。
(検索)あっ地元図書館にあった!3倍のプレミア価格のレア本が!
図書館に蔵書があるのか…ワクワクして嵐の中を図書館に向かいました。
書庫より取り出してもらった本を開いたら、「続く」ってマジか!!!!
ちょっと話を盛りました。聖女マルタは3巻だった。先に言ってほしかったな…
3巻は絶版じゃないので自分で買うことにします。読んだらレビューに「マルタはこの巻に載ってます!」と書こう。きっと100人中100人が役に立ったと言ってくれるだろう。
で、借りてきた「黄金伝説」を読んでます。
たとえば聖アンブロシウスの項。アンブロシウスageエピソードが30個ぐらい羅列してあって、それも過半数がオカルト案件ぽくて子どものケンカっぽい感じだ( ;´ ▽ ` )ノ
アンブロシウスは、ローマ皇帝を向こうに回して一歩も引かず教会の地位を守った人で、著作多数の教育者としても優れてたスーパー文化人政治家だと思うのですが…どうして彼の悪口を言うとその場で即死するって話が羅列されてるのかなあ。もっとこう文化的な功績をこう。
ゲオルギオスの話を、この本で始めてちゃんと読んだのですが…彼の列聖ポイントは、殉教なんですね。ドラゴン退治じゃなくて殉教。そしてドラゴン退治は後世の捏造エピ説が有力だそうで。夢がないなあ(´;ω;`)ウッ…
たしかに、人身御供の姫を助ける通りすがりの旅の勇者って、ヤマタノオロチのパク…じゃない、ペルセウスのパク…いやいやそうじゃない、こ、こういう話は世界中にいっぱいあるんでしょうね!燃えるし!(フォロー)
でも十字を切って突撃したらドラゴンが死んだとか、ちょっと展開が雑じゃないかなあ… 計略使ったりすごいマジックアイテム使ったり、話を盛ったらいいのに。欲がないなあ。
あと、訳注が…ゲオルギウスの絵は竜退治と殉教図が定番、だけど「ただし、竜退治をした聖人の数は三十人をこえると言われ、竜退治が描かれているからゲオルギウスとはかぎらない」どうやら竜退治エピはレアじゃないらしい。
キリスト教はおっかないね。
そうそう、聖書も読んだんです。新約の方。
キリストが奇跡で癒した「長血の女」はマルタだって説があるそうです。12年間、不正出血か…内膜症だったんだろうか(´;ω;`)ウッ…
当時のユダヤの律法では、出血中の婦人は「穢れ」として外出など制限を受けたそうです。触ると穢れが他の人に移るとか「バイキン」みたいなルールもあったそう。イエスに治してもらって、病気が治って健康になりました!以上のプラスがあったことに。
日本でも古代には似たルールがあったそうですよ。「宮中賢所物語」で読んだ。
ユダヤの失われた氏族が日本に来てたのかな、やっぱりな!
だなんて、うそうそ。世界中に似たようなルールがあったんだと思います。