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『エリジウム』

映画

 なんか…期待しすぎちゃったかな…


 ハリウッド映画にしてはテンポが悪くて、途中「まだ終わんないの?」みたいな気分になっちゃいました。
 撮りたい絵優先でシナリオが穴だらけなんてのは、別に珍しくもなんともないと思います。だから無価値だなんて言うつもりはありません。
 問題は退屈だからシナリオの穴に目が行っちゃうってことかも…。
 なんかね、エリジウムのセキュリティが脆弱すぎてがっくりしちゃった。
 それやこれやで、実はエリジウムはできて30年も経ってなかったりして?感がすごい。しょんぼりだ。


 それでも、工場ぽいところの連絡高架橋の上でなぜか日本刀をしょった強化外骨格白人(シャールト・コプリー)と強化外骨格(ポンコツ)主人公の最後の戦いの場面に、謎のサクラっぽい花びらがチラチラ舞っているのとか、無条件に全てを許しそうになりました。
 生まれた国は違っても、同族は応援せねばなるまい。
 あと、ふざけた保護観察官ロボ。あれだけで今年のディストピア分が補充された思い。

 思えばブロムカンプ監督の前作にして出世作『第9地区』が面白すぎたのかも知れません。
 『第9地区』自体はB級もB級、半年すぎたらコンビニで1480円でソフトが売られるような映画です。
 今なら3枚3000円のワゴンにあるはず。
 でも公開当時は、なにか才能の煌めきのような、大きな可能性を感じましたっけ。
 監督の「南アフリカ出身」という珍しい経歴にも興味を持ちましたし、作品を通じてほの見える南アフリカの今の風景にも引かれました。
 バーホーベンとかアニメとか好きなモノをぜんぶ突っ込んできたのもほほえましかった。
 主人公のヴィカス(シャールト・コプリー)も良かったな。
 ダメ人間が、なんの心境の変化か1回だけ自分を犠牲にして「良いこと」をするってのに弱いんです。
 ヴィカスを演じたシャールト・コプリーは監督兼俳優の肩書きを持つ新人でした。
 劇中のセリフはすべて彼の即興であるとか。
 後から考えると「監督兼俳優」てのはハイスペック人間って意味ではなくて、小さい規模で映画作ってるから何でもやるって意味だったのかも知れません。
 さらに後から良く聞いたらブロムカンプ監督の「ビジネスパートナー」って話で、つまり「とりあえず友達に主役やってもらった」と言うのが真相に近いのかも知れません。
 セリフが即興ってのも、もしかしたらシナリオが完成してなかったって意味だったのかも知れません?
 なるほど、ものは言いようです?


 ですがこのすべての要素が、「次はもっとすごいかも?」て印象に繋がったのです。
 『エリジウム』…ちょっと期待しすぎちゃったのかも知れませんね。