ローランド・エメリッヒ最新作『ホワイトハウス・ダウン』

 見てきたんですけど、何からどのように申し上げたらいいか…
 かつてないフラストレーションを感じています。
 面白かったです。
 近年のエメリッヒ映画の中では間違いなく良作の方に数えられるかと思います。
 ですが!
 どこが!
 どこがエメリッヒなのか!!


 「ダイ・ハード」の系列のアクション映画と考えればデキの良い方と思うのですが、そのデキの良さというかソツのなさが、、、うーん、どこがエメリッヒ?と。
 やっぱり、(馬鹿すぎて)誰も作らないような大量破壊映画を作らせてこそエメリッヒなのかも知れませんね。


 ストーリーは、ホワイトハウスにテロリストが侵入してあらたいへん。
 SPの面接に落ちちゃった男(チャニング・テイタム)と黒人大統領(ジェイミー・フォックス)が協力してテロリストと戦うよ!
 最初、プロが格好良く戦うじゃだめなんかなあ、と思いました。
 主人公を「落ちこぼれ」に設定することでドラマが生まれていました。ごめんなさい、私が間違っていました。
 つぎに、大統領が自分でテロリストと戦うってどうなの、と思っていたのですが。
 先例があるので少なくとも「前代未聞」のアホ設定とは言えないでしょう。
 黒幕と取っ組み合いする部分だけはそれなりの必然性があって(微妙にアホだが)、逆になんかイラッとした…ような…
 基本はシリアスなんですが小ギャグが効いてます。
 CMでも流れる「大統領、撃つんだ!」「いや撃つな!!」「ちょっと待てメガネメガネ」のお約束のシーンでプッと来てしまって、あとは劇場全体で「声に出して笑っちゃってもいいよね?」みたいなゆるい空気となりました。
 後は、まあ、つまんないネタでも「たはは」みたいになって、楽しかったです。
 最初はちょい役かと思ったツアーガイドのお兄さんが、いい味出してました。
 大勢で見たら楽しいかも。


 でもどこがエメリッヒ?
 『2012』のアホさがちょっぴり懐かしいです。