『坂の上の雲』

 昨年暮れの放映で完結した『坂の上の雲』ですが。
 なんだかんだでリアルタイムで見られなくて、録画してあとから見ました。ちょっと寂しかった。


 紙一重の天才参謀×寡黙な老提督推し!!щ(゚д゚щ)


 だったのですが、そういう方向にはあまり行かなかったことだなあ。
 登場人物の絡みよりも戦闘シーンに圧倒されて終わっちゃった。
 紙一重天才の強い感情を秘めた視線を老提督がしっかりと受け止める(誤解を招く表現)シーンは何回かあったのですが。
 うーん、何が足りなかったのだろうか…
 戦闘シーンが凄すぎたのか。


 第三話の引きと、最終回冒頭の盛り上がりは凄かったと思います。
 『坂の上の雲』はT字戦法(東郷ターン)はあった説を採用しています。
 史実は違ったとか後世のねつ造された伝説だとかいう話は脇に置いておいて、『坂の上の雲』では東郷ターン説を大胆に採用しています。


 第三話で「東郷ターン」クル━━━━(゚∀゚)━━━━!!で引いて、


 最終回冒頭に再度「東郷ターン」を持って来ました。
 その結果、「タメ」が生まれました。


 敵司令官「東郷は狂ったか」「これは神のご加護だ」
 →副官の長い説明セリフ挿入(お疲れさま!)
  細かい理屈は知らないけど、10分ほど日本側が防戦一方となる隙が生まれるそうです。
 敵司令官「三笠を撃沈せよ!」「黄金の10分を無駄にするな」


 もう!銀河英雄伝説か!!
 ドラマチックすぎだ!!!
 思い返せば「敵前回頭」という言葉をはじめて知ったのも銀河英雄伝説でした。
(1巻の初っぱなで、とても良くない戦法だと刷り込まれた)


 回頭が終わって日本側のターンとなってからも、急にどっかんどっかん行くのではなく、いったん「静」が挿入されるの。
 着弾観測だなんて地味〜な描写が入って。
 この辺の「緩急」にはしびれました。


 しびれたんですが、艦隊決戦+オーケストラのBGMだと、銀河英雄伝説みたいだなあと思ってしまいます。
 刷り込みってこわい。


 ネットを巡ると三笠の描写におかしい所があるとか火薬の色がちょっとなあって人もいたようです。
 私は第二艦隊のカッコイイ場面が丸ごと削除なのが省略しすぎではないかと思いました。シンプルに「東郷は無謬」で統一したのでしょうか。

 …ロシア側のある幕僚は悲鳴をあげるように、
 「三笠はいつもわれわれの前面にいた」
 と、魔術師の魔法を見たように語っている。

 というシーンを映像で魅せて欲しかったかなー…
 とゼイタクを言ってみる。


 ですがトータルでは、ずっと見たかった場面をこれ以上ないクォリティで見せてもらって感謝の気持ちでいっぱいです。映画でなくてテレビでってのがすごい。
 スタッフの人にありがとう、お疲れ様。


 ただ戦闘シーンの中に


 | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
 |   次でボケて!!!   |
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    ∧∧ ||
    ( ゚д゚)||
    / づΦ


 みたいな人が出てきた時は吹き出してしまいました。
 長岡外史のヒゲと同じ、一見「まさか」と思わせて実は「正しい」描写だと思うのですが…