『借りぐらしのアリエッティ』

 素直に思ったままの感想を言うのが、年を追うごとに難しくなっていく感のあるジブリ映画ですが…
 この数年、ジブリ映画には夏休みの宿題のような気の重さを感じておりました。
 必ず観て、先生から良い点がもらえるような感想を言わなくちゃいけないような。



 今年は勇気を出して素直な感想を叫ぶ!



 と気合いを入れて見に行ったのですが、アリエッティ、面白かったです。
 ごめんなさい。
 私はいったい何と戦っていたのか。



 ストーリーは壮大な所も難解な所もなくさらりと淡彩、だけど小人生活の度を越したディティールの細かさ、当たり前の光景や生活音がぜんぜん違った風に感じられちゃう愉悦。
 通ぶりたい子(それはわたし、)の好感度を最大にさせる組み合わせだと思います。
 わぁ、ジブリ様の手のひらの上なのか!?


 こんなことを言うのは野暮なのでしょうけれども。
 小人スケールでの水の表現に「おぉっ」と思いました。
 表面張力が描かれている。
 噂のジブリ泣きにも表面張力が。なるほど〜。

 でも、そこを詳しく描写されると小人たちの血液循環系が、そして寿命が気になっちゃう。
 その辺が気になり出すときりがなくて、小人が食物連鎖最底辺としか見えなくて、すっごい怖くなってきた。感動のエンディングの後でまとめて補食されてやしないか。本当に大丈夫なのか。


 ってそれは言っちゃだめか。