『北斗の拳』
北斗の拳を同僚と回し読みをしておりまして。
先輩女性(ずっと夫婦別姓で仕事を続けていた人)が「ユリアはDV肯定だからダメだ!!」と怒っていました。
大人の目で通読するといろいろアラも見えます。
リンが核戦争前の時代をうっすら覚えていると語る場面を見つけ、新鮮な驚きに胸を突かれました。
確かに冒頭のナレーションは「199X年、世界は核の炎に包まれた」であり、サブタイトルの「世紀末救世主伝説」は、時代が1990年代後半であると暗示してます。
ケンシロウたちの子供の頃の回想シーンが強烈にファンタジー界なので、すっかり忘れていました。
「血の涙を流すトキ」(右)の絵がこどもごころに印象深かったのですが、今回読んで、これはトキではないことを知りました……………。
よろしい。これは「血の涙を流すアミバ」の絵なのですね。
ではアミバは血の涙を流したのか?
前後を読むとこの絵は「アミバの嘘を聞いてケンシロウが想像した場面」と解釈できましょう。
この物語の中では、実際には誰も血の涙は流していなかった。
「深い悲しみと深い怒り」を表した絵だから印象に残っていたのだと思います。
人生うまく行かなくて、いじけることの多かった子供にとって、鏡を見る思いだったのかも知れません。
この物語の中では、実際には誰も血の涙は流していなかった。
そう知って、すこし寂しい気持ちになりました。
なんてね。
当時、ラオウとトキの戦いに強く引かれましたっけ。
今ならその理由がよく分かります。
なんたる高純度腐女子ホイホイ成分!
いま、車にステッカーを貼るならサウザーのセリフかな。
「退かぬ 媚びぬ 省みぬ!!」と「こんなに苦しいのなら愛などいらぬ!!(ドドォォッ←効果音)」をセットで。
いじっぱり万歳。