黒田硫黄のデビルマン
- 作者: 永井豪
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2000/02
- メディア: コミック
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本や雑誌を整理するコツは、中を見ないことだと悟りました。
そんで、黄色いお店で査定を待つ間に「あ、これ、自分が持ち込んだ本だ」といちど手放した本を手に取って開いて、こんな素晴らしい作品だったか!と驚きを噛み締めたりとか…。
いったいわたしは何をやっているのでしょうか。
きょう、ブルッと来たのがこの本です。
の、黒田硫黄の作品です。
デビルマンをモチーフに有名作家が競作するという趣のアンソロジー。
黒田硫黄のが、いいんだ。
ゼノンが降臨して世界が壊れはじめてから、それからはじまるフツーの人の物語です。
世界が壊れはじめてから、家族を取り戻したフツーのおじさんの……いや…ちょっと変な人かも…
まあそれはそれとして!
デビルマンという終末の物語をモチーフに、終末からはじまる物語を語るのかこの人は!
黒田氏の描いた主人公は、非常事態でもひょうひょうとして、ときどき踊っているみたいで(「ポジティブって浮かれる事なの!?」と主人公がなじられてるのが悲しくも可笑しい)、悲しくても苦しくても辛くても冷静かつ合理的であろうとして、しかしそれほど成功していないのが、悲しい。
そう、『大日本天狗党絵詞』の比良井さんが思い出されるのです。
比良井さん、好きだったなあ。