黒田硫黄のデビルマン

ネオデビルマン 3 (モーニングデラックス)

ネオデビルマン 3 (モーニングデラックス)

 黄色いお店で51アイテムもう僕は疲れたよパトラッシュ。
 本や雑誌を整理するコツは、中を見ないことだと悟りました。


 そんで、黄色いお店で査定を待つ間に「あ、これ、自分が持ち込んだ本だ」といちど手放した本を手に取って開いて、こんな素晴らしい作品だったか!と驚きを噛み締めたりとか…。


 いったいわたしは何をやっているのでしょうか。


 きょう、ブルッと来たのがこの本です。
 の、黒田硫黄の作品です。
 デビルマンをモチーフに有名作家が競作するという趣のアンソロジー。
 黒田硫黄のが、いいんだ。
 ゼノンが降臨して世界が壊れはじめてから、それからはじまるフツーの人の物語です。
 世界が壊れはじめてから、家族を取り戻したフツーのおじさんの……いや…ちょっと変な人かも…
 まあそれはそれとして!
 デビルマンという終末の物語をモチーフに、終末からはじまる物語を語るのかこの人は!


 黒田氏の描いた主人公は、非常事態でもひょうひょうとして、ときどき踊っているみたいで(「ポジティブって浮かれる事なの!?」と主人公がなじられてるのが悲しくも可笑しい)、悲しくても苦しくても辛くても冷静かつ合理的であろうとして、しかしそれほど成功していないのが、悲しい。
 そう、『大日本天狗党絵詞』の比良井さんが思い出されるのです。
 比良井さん、好きだったなあ。