『関ヶ原』

関ヶ原〈上〉 (新潮文庫)

関ヶ原〈上〉 (新潮文庫)

 読んでいてお腹が痛くなりました。
 こんなにハライタばかり印象に残る小説ははじめて読んだと思います。
 わたしはお腹が弱いのです。
 冷えるとすぐに「下りの急行列車が参ります」だったのでした。
 でした、と過去形なのは、昨年からポテチ断ちをして和食メインの食事に変更したら治りました。そんで痩せました。
 それはいいのですが、今冬は大して寒くないのに、妙に手の先が冷たくなるのよね。これが世に言う冷え性というものなのか。
 それはそれとして。
 老練な徳川家康と、味方の裏切りと、自分の器の限界と戦いながら、 腹 痛 とも戦わなきゃならん石田三成の姿に涙が止まりませんでした。
 この小説の一方の主人公は間違いなく三成だと思いますが、ハライタすぎて共感できませんでした。自分のハライタ体験がありありと思い出されて読んでいて辛かったです。
 もう一方の家康は途中まで無敵モードに思えて感情移入できませんでした。最終的に勝つ方が、最初から完璧すぎちゃうと、ちょっと駄目、です。個人的に。結末が分かっていても適度にハラハラさせて読者を引き込むのが小説ってものではないでしょうか。


 と、文句を言いながら読んでいたところ、関ヶ原のくだりではハラハラして引き込まれました。


 ところで。
 あの後、上杉勢はどうなったのでしょうか?