『へうげもの 4巻』

へうげもの(4) (モーニングKC)

へうげもの(4) (モーニングKC)

 古田左介あらため織部タンはかわいいなあ。
 ドジョウヒゲにちょんまげのオッサンなのに思わずタン付けにしたくなるかわいさ。
 美しいモノに出会った時に彼が見せる、心の底から驚いている表情がおもしろい。
 そして、不思議とかわいいと思えちゃうんだな。
 美しいモノとの出会いの瞬間、職務も地位も忘れ、外聞も忘れ、美しいモノと自分だけの世界に没入してしまう無防備さ。威厳をとりつくろうのを忘れてて、はっきり言って変顔になっちゃっているんですが、その無防備さが、かわいい。
 作者氏は、左右対称・均整の取れた正面顔を描きます。
 それゆえ織部タンはハンサムと言っていいと思うのですが、無防備なおもしろかわいい顔の印象が強いので、たまに見せる不敵な笑顔の方が嘘のようで笑ってしまいます。
 あと、第41席 Golden Years 後半のコントは、なんど読んでも笑ってしまうことだなあ。


 漫画本編は、悲しみや、己の本性から逃れられぬ男の哀れさ、自嘲と裏表の、じわっとくる笑いだと思います。
 ですが、連載時のアオリやあらすじ紹介、コミックス巻末の人物紹介はダイレクトに笑いを取りに来ているような気がしてなりません。
 コミックス巻末の人物紹介の、徳川家康の好きな色でぶはっと笑ってしまいました。
 不覚。