『SFマガジン2007年1月号』
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2006/11/25
- メディア: 雑誌
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言葉に言い表せないことを語ること/語れないことについて論じています。
ホラー作品を作るに当たって、ラスボスをどばーんと出して(描写して)、さらにそれらが通常兵器で退治されちゃったりなんかした日にはラスボスの神秘の光輝が一気に失われ、ショボくなってしまうのは火を見るよりも明らかなことです。エメリッヒさまのゴジラとか!
そう言った現実的な理由だけでなく、文章が下手だったからではもちろんなく、ラヴクラフトは「どうしたってコトバで表現できないモノがあるじゃないか」という感覚の下に苦心していたのではないか、という好意的なコラムでした。
『宇宙からの色』ではそういう要素が強いと思いますが、別の作品では「真実は恐ろしすぎて認めたくないからコトバにしたくない」という文脈も使っています。
色んなケースのある「コトバにできない」ですが、わたしはそのテーマに強く惹かれます。
だいぶ路線が違いますが(つか明暗正反対だな)、「そんな大事なこと、簡単には言葉にできないよ」と歌う人もいて、それゆえその人の歌を繰り返し聞いてしまい、先日、ついに生で聴いてしまい、やっぱり強く心を揺さぶられました。
それは、わたしが単純で、底が浅く、考えなしで、言葉に出すことをためらう瞬間などほとんどなく、そのくせ後悔することがしばしばである故に惹かれるだなんて、真実は(恥ずかしすぎて認めたくないので)一片たりともここに記すことはできない。