『シン・シティ』

 いやなんかもう、すごい勢いでごめんなさい。駄目だった。
 この手の映画の良さは分からないので、ってそれはこの映画が駄目だって訳じゃなくて、わたしのセンスのなさに由来するものであって、悲しく悔しく恥ずかしい。
 よってこの映画の良さや見所を正しく説明することはできないと思いますが、感想を書いてみます。


 まず暴力描写が駄目だったっす。ぱかすか人が死んで。グロいし。主人公がつかまってぼこすか殴られるのも嫌。勘弁してって感じでした。
 そんで話がバラバラなのが駄目だった。
 シン・シティを舞台にした4つのエピソードが語られます。
 唐突に終わって次に行くので、きっとドラクエ4みたいに最後にばーっと一本につながってぜんぶ腑に落ちるんだろうと思って我慢して見ていたら、バラバラなまんまで終わったので愕然としました。
 救いのないラストにも強く異議を唱えたい。
 最後のパートにミッキー・ロークと変態殺人鬼がちらっと出てたのも混乱させられました。エピソードの順番も時系列順じゃないよって意味なのか(これは同行者の意見)
 あと、オープニングの男女が誰だったのか、ついに分からずじまいでした。男の方はラストのタバコ男で、ベッキーの運命を暗示してるってことでよろしいでしょうか?
 ぐっすん。


 白黒作品で、ポイントポイントだけに色が乗っているという不思議な画面でした。
 そんで猛烈に格好良かった。
 原作はアメコミだということです。
 逆光のミッキー・ロークの絆創膏だけがくっきりと白かったり、暗黒ハリー・ポッターの眼鏡の反射光が紙のように真っ白だったり。パンフに載っていたカットを見るに、原作は陰影を強調した黒の多い漫画らしいです。雰囲気出てる。原作への愛を感じました。


 いろいろ文句を言いましたが、ミッキー・ロークのあり得なさスギな戦闘力と生命力はおおいに楽しみました。それゆえ無骨な愛にゃ泣いた。ブルース・ウィリスはシブ格好良かった。本物のヒーローの思い出を持てたナンシーちゃんがうらやましい。また痛ましい。
 ドワイトのパートが、いちばん面白いと思いました。途中から笑いツボ入りまくりで(きっと正しい受け方ではない)
 ポントウ二刀流の東洋系女殺人機械とか、夜目の利かない白バイ警官とか、万延元年のラグビーとか、色っぽく身をくねらせながらマシンガンを撃つ女たちとか。
 ミホ最高ミホ最高。