『チャーリーとチョコレート工場』

 ティム・バートン監督とジョニー・デップの黄金コンビが贈る毒入りファンタジーです。
 ティム・バートンの称号は「奇才」だそうです。風変わりなネタ、ちょっと毒入っててしばしば冗談の度が過ぎてる作風は、「アタシはフツーとは違うのっ」と見栄をはりたいわたくしのような者を惹きつけてやみません。彼の作品はもれなくチェックして念入りに褒め称え、「奇才を理解できるアタシもトクベツ」感をアピールしたい所です。
 しかし。
 ティム・バートンはホンモノの奇才なんだと思います。
 3本に2本は凄すぎて?本当は凡人であるわたくしの守備範囲を軽々と超えてしまうのです。思い返せば「マーズ・アタック」とか駄目だったなあ。まるっきり駄目ってことはないけれども、同じ頃やってた「インデペンデンス・デイ」の方がはるかにツボだった。
(などと言うと、かなり人として恥ずかしい境地かも知れません。→id:wang2zhonghua:20040625#p1)
 この黄金コンビの「エド・ウッド」を知人に勧められレンタルして見ましたが、退屈で駄目だった。と感想を述べたら、知人(映画通)に可哀想な人を見る目をされてしまった。ううむ。
 映画館では黄金コンビの「スリーピー・ホロウ」を見ました。初日に。駄目だったー。うーん、まるっきり駄目ってことはなくて、えーと、期待の仕方が悪かったのだな。18世紀末アメリカの、迷信でいっぱいのド田舎の村に首ナシの騎士のお化けが現れて村人の首を刈っていると。それでNYから科学知識と合理精神を持ったジョニー・デップが出張捜査に行くのです。
 横溝正史のように?お化けとか呪いとかは嘘で、本当に怖いのは生きている人の妄執と閉塞した社会でした、というオチになると期待しちゃったのです。あまりにも早く強く無造作にその期待が粉砕されてしまって、体勢を立て直すことができなかったのでした。
 今なら、↑こういう路線を期待する方が間違っていることが分かります(学習効果)
 あと、ジョニー・デップ単体ですと「ノイズ」「ナインスゲート」という映画で地雷を踏みましたっけ。


 それで「チョコレート工場」ですが。
 面白かったです(ほっ)
 くだらなさと毒のバランスがちょうど良く、途中からフィーバー状態となり(わたしが)笑いが止まらなくなり困りました。ウンパ・ルンパ族サイコー。
 工場が良かった。オープニングと、町はずれのお化け城みたいな雰囲気がとても。
 ジョニー・デップが良かった。ハンサムで才能があるのに、中身がどうしようもなくヘンという工場オーナーを怪演していました。かなり気合いを入れてダイエットしたのでしょうか、細くてびっくりです。見ているととても懐かしい感じがしました(わたしは昔アルフィーの高見沢さんが大好きだったのです)。
 サントラが欲しくなって映画館を出たその足で探しに行きましたが、どこも売り切れで残念でした。
 次は、DVDを買っただけで満足していた「猿の惑星」を見てみようと思います。